2020/09/20
【東京】「埋設管の更新時に撤去された舗装の復旧に使われた少量の透水性コンクリート」建創・岡庭建材工業

東京都足立区。千住小学校の舗装に最小ロットの0.5m3が採用された透水性コンクリート《ドライテック》。担い手としてはこうした使われ方が理想。「本当はこういうところに使って欲しい!」本当に身近になってきた透水性コンクリートを実感できるのはこうした狭小地。 製造:三郷生コン(岡庭建材工業)、施工:建創(100m2、0.5m3の材料を使用し2m2程度を舗装、補修用途)
量は少なくともこういう使われ方が超嬉しい!
製造された岡庭建材工業の江川常務からのご報告。
埋設管の更新に伴い舗装が剥がされる。
工事終了に伴い舗装を復旧する際は通常「身近などこにでもある材料」を施工者さんたちは買い求める。
今回そんな分野に採用されたのが透水性コンクリート《ドライテック》。
もともとこの場所は入り組んでいる場所でもあり水はけが問題となっていたはずだ。
アスファルトにも排水性はあるにはあるが、その機能は期間限定。
数年経てば最初は水を通していた舗装にも水たまりがあちらこちらに散見されるようになる。
なぜか?
それは、アスファルトが熱可塑性樹脂といって有機物であることに理由がある。
輪ゴム、ポリバケツ、こうした有機物を外に何年も放置していたらどうなるか?
こう考えるとわかりやすい。
アスファルトは最初こそ機能が発揮されてはいるものの、数年経てば輪ゴム、ポリバケツ同様変性していく。
水を通すための空隙は次第に圧壊され、透水性が失われるのだ。
施工After。
これで水はけの問題は解消。
工事も無事完成となる。
埋設管更新時の舗装に採用される透水性コンクリート《ドライテック》
世の中にはあらゆる種類の舗装がある。
ついつい生コンポータルではアスファルトと透水性コンクリート、土間コン、しかないような紹介の仕方をしてしまうが、ぱっと思いつくだけでも、
⚫︎インターロッキング
⚫︎天然砂利樹脂舗装
⚫︎スタンプコンクリート
⚫︎真砂土舗装
(あ、意外とあんまり思いつかない笑)。
家周りや施設まわりの工事には、埋設菅や地中に埋まっている設備の更新というものも発生する。
こうした更新の際には必ずその上を覆っている舗装も同時に撤去する必要に迫られる。
改めて気付いたのだが、こうした分野もある意味では市場とすることができる。
そして、この分野の大半は、
⚫︎アスファルト
⚫︎コンクリート
いずれかが採用されてきた。
そう、つまりは、
「舗装といえば、アスファルト(コンクリート)だよね」
という認識が施工者界隈で生成されてきたということだ。
そんな分野に今回ひょんなことから透水性コンクリート《ドライテック》が採用された。
これは、つまり、
「舗装といえば、透水性コンクリートだよね」
の第一歩という大事件なのではないだろうか。
個人的にはとても嬉しい大事件だ。
普通ものづくりの担い手は「大量に発注された!」ということを喜ぶところだが、本当に嬉しいのは「常識になってきた」ということなのだろう。
ふと見落としがちな、
「埋設管の更新時に撤去された舗装の復旧に使われた少量の透水性コンクリート」
これは、今後加速度的に透水性コンクリートが広まる兆候なのかもしれない。
宮本充也