2020/10/08
【埼玉】「防滑(ノンスリップ)効果こそ透水性コンクリートの真の価値?」渋谷建材

埼玉県草加市。施主から寄せられた希望で「勾配をつけたくない」「土間コンクリートだと雨の時滑りやすい」が透水性コンクリート採用の理由。水を通す(水勾配不要、コケ・カビの育成も少ない)ための隙間が確保されている透水性コンクリートの表面はゴツゴツしているため、防滑(ノンスリップ)効果も期待できる。なんと、こちらの現場は透水性夫(トウスイサガオ)が施工指導!
製造:渋谷建材(担当:大曽根勇太)、施工:渋谷建材直営(42m2、100mm厚、6名、2時間)。
施工動画
防滑(ノンスリップ)効果も期待できる透水性コンクリート
施工Before。
駐車場を兼ねたアプローチ部分の舗装。
通常の生コンを利用した土間コンクリートでは降雨時など表面に雨水が滞留してしまうため、コケ・カビの生育が懸念される。
もちろん、見た目の問題もさることながら、こうしたコケ・カビは雨の日などツルツルと滑るため大変危険だ。
また、「水勾配(水たまり防止のための傾斜)をつけたくない」というのも施主から寄せられた希望だった。
透水性コンクリートであれば、「排水設備を兼ねた舗装」であるため、水勾配はまずつけなくて良い(真っ平らで問題なし)。
さらに、路面滞水しないということで、コケ・カビの生育も抑えることができる。
水を通すために石と石の間に隙間がある。
そのため、ゴツゴツした見た目になるのは、防滑(ノンスリップ)効果も期待できる。
事実、最近バスケットコートでの採用事例が後を絶たないが、
「滑らない」
「踏ん張れる」
「なんなら、雨の日でもプレイできる」
なんてのも採用理由に挙げられているくらいだ。
「もう、ドライテック しかない!」
というテンションで採用いただいた。
施工スタート。
玄関前のような入り組んだ場所は施工も少し複雑になるため、タンパやヌキイタなどを用いた丁寧な転圧の施工指導を行う。
なんとこちらの現場は映画「透水宣言」の主演俳優・菅野貴夫さんが担当者まさつぐと共に施工指導員として参加していた。
実際に施工指導員の仕事を通じて役作りにも活用するというのが狙いだ。
施工指導の要諦として、「施工幅(施工フロント)は広げ過ぎない」というのがある。
幅が5m以上になったりすると材料の状態に目が届きづらくなり、ドライアウトなどが懸念されるためだ。
そのため、今回のようにL字型になっているような施工範囲だと、施工フロントが広くなりがちであるため、途中で止め枠を使って施工フロントを広げない工夫が指導された。
施工も終盤戦。
平坦に均された材料の上を追いかけるように30kgタイプのプレートコンパクタが転圧することで仕上げとなる。
転圧がかけづらい隙間部分はヌキイタなどのような材木の切れ端を利用して上からハンマーで叩くことで収める。
施工After。
施工After2。
見事な出来栄えは渋谷建材直営施工により、42m2、100mm厚、6名、2時間で完成。
これでお施主さんの希望「水勾配つけたくない」「防滑(ノンスリップ)効果」は実現した。
ガラス質である透水性コンクリートは今後恒久的にその効果を約束することになる。
超高齢化社会を迎える我が国にとって標準的土間コンであるべき透水性コンクリート。
今はまだ気づかれていない。
ただ、僕たちは時が来れば知ることになる。
「水勾配」
「コケ・カビ」
土間コンとセットで考えられているこの2要素は、超高齢化社会に暮らす人々にとって、凶器たりうる。
元気にぴょんぴょん飛び跳ねているあなたには関係ないかもしれない。
ただ、30年経っても今のように軽やかに飛び跳ねることができるだろうか。
きっとあなたのご両親や祖父母のように、時が来れば足元は覚束なくなる。
その時までに土間コンの常識を変えること。
それが、僕たち今を生きる僕たちの使命なのではないだろうか。
いや、まじで。
冷静に考えてよ、実際そうでしょ?
コケの生えた土間コンの上で雨の日バスケの練習とか正気の沙汰ではない。
これまでそれほどフィーチャーしてこなかった、「防滑(ノンスリップ)効果」。
もしかしたら、「水を通す」以上の価値なのかもしれない。
事実、このところ、この性能を期待して採用されることがつと増えてきたのだ。
宮本充也