2020/10/25
【岐阜】「透水すれば(湧水は)上にも出るし(降雨は)下にも入る」裁建築・下呂生コンクリート

岐阜県下呂市。一見、道路より建物が低いから採用されたようだが、実は元々同地には池があり水が湧いていたため、そこをぐり石砕石などで埋めたが湧き水が上に出てきてもいいように。「透水すれば上にも出るし下にも入る」。
製造:下呂生コンクリート、施工:裁建築(担当:裁昭人、75m2、100mm、5名、2時間半、エクスショップ・庭コン登録)。
施工動画
元々池があり水が湧いていた
施工Before。
当該敷地は元々池があり水が湧いていたという。
道路側よりも宅地の方が低く排水対策にも見えるが、一方で湧水が仮に上がってきたとしても透水性コンクリートなら「蓋しない」。
「透水すれば上にも出るし下にも入る」
これは初めての採用理由。
以前にもご採用いただいた実績のある裁建築にて提案され今回採用となった。
もう、手慣れたもので、順序よく敷設、均し、プレート転圧(30kgコンパクタ、4mmベニア)と進む。
施工After。
75m2をたった5名で2時間半で完成させる。
見事、「大地に蓋しない舗装」の完成。
今回出荷にご協力された下呂生コンクリート。
日本全国あらゆる土地にこうして生コンを届ける基地がある。
全国の生コン工場に支えられて透水性コンクリート《ドライテック》は今も大地に蓋しない活動が広がっている。
日本全国の生コン屋さんが広げる「大地に蓋しない」舗装の輪。
「コンクリートから人へ」
なんてスローガンがあった。
公共事業など、とかく建設、コンクリートへの世間の風当たりは強い。
確かに行きすぎた公共投資はあったと思う。
政治との癒着も度々取り沙汰されてきた。
事実これまでの生コンクリート産業は大地を削り、汚し、蓋し続けてきた。
緑や湧水は失われた。
無機質で温かみのない都市を作り出してきた。
拡大再生産の申し子というイメージが強いかもしれない。
確かに、これまでは、そうだった。
自然や大地を支配する。
時代は変わり、クローズドループ、サステナブル社会、SDGs、マイナス成長。
ピークは5000以上を数えた生コン工場も今や3000を割ろうとしている。
そんな時代にあって、生コンは「大地を削らない、汚さない、蓋しない」を志向し始めた。
まだまだ数はそんなに多くはなくとも、新しい文脈を実装した新しい生コン工場は今こうして日々それぞれの土地で、「大地に蓋しない」コンクリートの供給を通して新しい世界に貢献している。
湧水を蓋しない。
ストーリーがある。
利便性だけじゃない、自然との調和も実現する。
コンクリート産業に課された新しい役割。
岐阜県下呂市にも、静岡県伊豆の国市にも、岡山県岡山市にだって、生コンクリート製造事業所はある。
およその島嶼地域も含めて、日本全国どこでもカバーできるようになっている。
新しい時代にさらに僕たち生コン産業が求められるためには。
新しい文脈で新しい挑戦をしていく使命がある。
宮本充也