2020/10/29
【宮崎】「朝一にこだわる必要がない《生コン》透水性コンクリート」木田組生コングループ・平成産業

宮崎県西臼杵郡高千穂町。木田組生コングループの担当橋本氏の自宅敷地内施工を兼ねた見学会に地元工務店、生コン組合、共同生コンの見学あり。「多少乾き気味の状態ではあったが概ね上手く施工出来た」(橋本氏)。今後、材料製造に加えて施工の普及も進めて行く。
製造:西臼杵共同生コン第一工場、施工:木田組生コングループ・平成産業(70m2/8.5m3、100mm厚、2時間)
《透水性コンクリート》木田組生コングループが動き出す
施工Before。
木田組生コングループの職員橋本氏の敷地内舗装工事を兼ねた見学会には地元工務店他、生コン関係者らが訪ねた。
木田組生コンといえば、宮崎に端を発した生コン製造のカリスマ。
これまで鹿児島地区での実績は数えていたが、今回はその本拠地で本格的な製造・施工の歩みが始まる。
また、同社は近頃発足したコンクリート舗装推進協議会の中心的役割を果たしている。
透水性コンクリート(ポーラスコンクリート舗装)は転圧コンクリート舗装の一種であり、その特徴はワイヤーメッシュを使用しないこと。
写真でもわかるように、生コン車は路盤上に直接進入し材料は直に荷下ろしされる。
このことで軽減できるのは一輪車による小運搬。
全ての人員が施工に集中できる。
施工はグループ会社平成産業が担当。
直に下され敷設された材料をトンボで平坦に均した後ろからプレートコンパクタ(30kgタイプ)が追いかけ転圧(締め固め)。
施工には地元工務店のほか、生コン関係者らが訪れ要領を見学していた。
施工After。
現場を担当された橋本さんからは、
「多少乾き気味の状態ではあったが概ね上手く施工出来た」
というご報告をいただいた。
70m2という規模を、生コン車の途切れ15分がありながらも、2時間以内で完了させる。
この施工スピードが透水性コンクリートの最大のアドバンテージだ。
同社公式Facebookアカウントでも施工の様子が紹介されている。
(https://www.facebook.com/192207037537451/posts/3384430831648373/)。
同社本拠地での製造・施工。
いよいよ木田組生コングループでも本格的にコンクリート舗装普及の推進が始まった意味は大きい。
生コン屋さんの弱み「朝一」を避けられる生コンというアドバンテージ
どうして生コンの注文は朝一に集中するか考えたことがあるだろうか。
土間コンの現場に一度でも足を運べばわかること。
「土間コンクリート(コンクリート舗装)は1日仕事」
それは、
⚫︎余剰水(ブリーディング水)が乾かない
⚫︎金鏝仕上げに相当時間がかかる
が理由。
だから、注文者は殺気だった様子で「朝一」を要求する。
朝、雨に叩かれれば、仕切り直し。
翌日スライドってわけには行かない。
翌日は翌日で目一杯注文が入っている。
これから迎える冬本番。
ますます落日は早く、ますます寒くなり、余剰水は乾きづらい。
闇の中、せっせと2度も3度も金鏝仕上げは心身ともに応える。
その、「余剰水の乾き待ち」「金鏝仕上げ」がない、透水性コンクリート。
無論、施工者を喜ばせるだけではない。
今回も「たった2時間」という時間で終わるということは、「朝一にこだわる必要がない」ことを意味する。
つまり、生コン屋さんが比較的ゆとりのある時間帯での出荷ができる、ということなのだ。
生コン産業においてはコンクリート舗装といえばどちらかといえばネガティブな印象を持たれる。
管理が面倒くさいというのがその理由だ。
一方で、これから急減する生コン市場で少ない広がりゆく市場ということもできる。
それが、コンクリート舗装。
こうした生コン工場におけるアドバンテージもきちんと見つめ、生コン産業自体が積極的にその普及に取り組むべき。
そうすることで、自分たちの仕事がより充実しより社会に貢献できるようになる。
その実践を九州生コン製造の雄、木田組生コングループに見ることができる。
宮本充也