2018/06/12
「住友林業の木質繊維入り透水性コンクリート|夕方から打てる土間コン」

ハウスメーカー大手住友林業(緑化)とのコラボレーションが進む新時代の土間コン「ドライテック 」。土間コン博士伊藤部長監修の元同社が開発した「木質繊維」(柿谷氏)を添加した透水性コンクリートの性能評価が実験された
住友林業の木質繊維入り透水性コンクリート
住友林業はもちろん本業は「林業」。
事業の中で大きな売り上げの割合を占めるのが、
住宅事業
国内のハウスメーカーでも大手の一画に数えられている。
JEG(Japan Exterior Garden協会)をリードされている、
住友林業緑化の伊藤部長は「土間コン博士」
当サイトでも何度も取り上げてきたが、
「土間コンは生コンで悪いことの象徴」
というのも、
・手待ちが多く1日仕事になるから調整が大変(雨天時など)
・メッシュ配筋や水勾配の悩みがつきまとう
・仕上げに「色むら」や「ひびわれ」が発生し施主と揉める
こんな「土間コンあるある」をセミナーで話すと、
来場者のみなさんは「うんうん」「あるある」と大きく頷く。
そんな「面倒臭い」土間コンとがっぷり四つで向き合いつづけてきた土間コン博士。
生コンポータルとしてこれ以上ない先生でありパートナー。
そんな同社が開発した「木質繊維」を入れた透水性コンクリートの実験が始まった。
※実験施工中。左:木質繊維開発者の柿谷さん、右:「土間コン博士」こと伊藤部長
※仕上がり状況
木質繊維を入れることで性能が向上する透水性コンクリート
今回の実験で僕たちも初めて知ったこと。
「木質繊維を入れるほどに曲げ強度が伸びる」
という結果。
これは意外中の意外な結果だ。
仮説や推論はあくまで仮説であり推論だ。
これまでもいろんな実験でわかったことだが、
本に書いてあることはあくまで本に書いた時点のその状況における結果であり、
全く初めてのことに対してはなんの根拠にもならない。
ということ。
住友林業さんの持つ「木質繊維」という技術。
もともと生コンクリートの添加する材料として想定していたものだけど、
「ついでだから混ぜてみよう」
ということでトライアルした透水性コンクリートへの適応。
やってみれば、意外なことに、とんでもない結果が得られた。
住宅の脇に施工される「土間コン」の常識が変化して、
木質繊維入りの透水性コンクリートが当たり前のように普及する日も近い。
そして、それができるのは、
元気で前向きな生コン工場が交流する、
GNN元気な生コンネットワーク(https://genki-namakon.net/)
が全国的に小規模な土間コンに供給してくれるから。
土間コンの常識は僕たち生コン工場が変える。
これまで誰かが作ったものをただ行儀よく従っていただけの存在。
中小零細企業の象徴としての生コン工場。
これからは主体性をもって自ら動き常識を変える。
ものづくりの誇りを取り戻したいと思う。
生コンでいいこと。
宮本充也