2020/11/04
【京都】「地下暗渠と透水性コンクリートの最強タッグ」吉岡商店

京都府京丹後市。裏山からの湧水で普段から湿気っている場所で、特に降雨時には水はけに苦慮していた。路盤に排水パイプを埋設し対策した上での透水性コンクリート施工。吉岡商店吉岡広光さんからの共有。
製造:吉岡商店(担当:吉岡広光)、施工・詳細等不明。
排水パイプで排水機能UP
施工Before。
元々この土地は裏山の湧水の影響で湿気ており、降雨時には大量の水で水はけに悩んでいた。
土間コンクリートなどで舗装して仕舞えば排水が問題となるため、透水性コンクリートを採用。
さらに、地下暗渠(排水パイプ)を設置することで排水機能をUP。
透水性コンクリートなら雨水はそのまま地下に浸透し、地盤が吸収できない部分は地下暗渠が役割を果たす。
(出典:https://mk-planning-ex.com/ex/mizutamarihaizyohouhou.html)
集水ますや側溝と違って庭の面積が小さくなるということがなくなるのが地下暗渠のいいところ。
透水性コンクリートとのタッグで最強の排水性。
さあ、施工開始。
生コン車が乗り入れられない狭い箇所であるため一輪車での小運搬。
材料の状態もいいようだ。
透水性コンクリートの施工フローは非常に単純で、敷設された材料はトンボなどの道具を用いて平坦に均される。
通常であれば水勾配と言って排水設備に向けて水を流すための傾斜の角度(2〜3%)を気にしながらの施工となるが、透水性コンクリートの場合は真っ平らでOK。
変な話、凸凹していても水たまりにはならない。
ここがDIYにも適している部分と言える。
プロの平坦性がなかったとしても水たまりにならないのだ。
均しが終わったらその後ろをプレートコンパクタ(30kgタイプ)で追いかけ転圧で終了。
写真は、ベニア板(4mmタイプを推奨)の上を転圧することで荷重を分散させ凸凹(プレートマーク)の発生を抑制している。
プレートコンパクタの使用に慣れていない方向けに推奨されている施工方法となる。
施工After。
これにて、水はけ問題一件落着。
雨の日も足元は水たまりのない快適な舗装で、さらには草むしりなどの面倒からも永遠に解放された。
以上は、吉岡商店吉岡広光さんからの共有。
誠にありがとうございます。
透水性コンクリートと地下暗渠の最強タッグ
通常地下暗渠は透水性の良い良質土などで入れ替えを行い、その下に排水パイプなどを埋設するため、「舗装はかけられない」。
排水性が仮に得られたとしても、舗装ができないということは、繁茂する雑草に悩まされなければならない。
やっぱり、最強無敵の工法というわけにはいかない。
そこは、先端コンクリートテックである透水性コンクリートとのタッグ。
これで、無敵だ。
基本的に透水性コンクリート盤と路盤、合わせて200mmの空隙率20%(地盤の透水量を含めて見かけ)で考えれば、駐車場2台分でおよそ1tの水を一時貯留することができる。
だから、よほどの雨でない限り冠水してしまうことはない。
ただ、今回はもとより裏山からの湧水という外的要因があった。
さらには、地盤も難透水性だったのかもしれない。
念には念をということで、透水性コンクリート+地下暗渠という最強タッグが実現した。
ここまで豪華な排水対策を施した事例はあまりお見かけしない。
今度京丹後を訪ねることがあればぜひ立ち寄ってみたい現場だ。
それにしても、自然と人が調和するコンクリートテックの象徴みたいな現場だ。
大地に蓋しない。
それでも、自然の循環は阻害されない。
なのに、雑草や水たまりで利便性が失われることもない。
自然と人が対峙するのではなく、調和する。
透水性コンクリートが持つ重要な役割の一つだ。
宮本充也