2020/11/05
【熊本】「いろんな地域のいろんなドライテック」高野組 生コン事業部

熊本県八代市。駐車場舗装に勾配をつけずに平らにしたいという理由で透水性コンクリートが採用された。なんとお手製の幅広プレートは、プレートコンパクタ(30kgタイプ)をバーベキューの鉄板の上に載せて固定。やっぱりちょっと進みが悪いけど、これでもあり?
製造:高野組 生コン事業部(担当:宮嶋智恵美)、施工:匿名希望(25m2、100mm厚、5名、40分)
施工動画
広がるさまざまな工夫《お手製幅広プレート》
施工Before。
駐車場に土間コンといえば、「水勾配」がセットみたいなものだった。
これまでは。
ただ、今やその当たり前が音を立てて崩れ去ろうとしている。
勾配をつけなくてもいい。
そんな生コンクリートが身近に手軽に手に入れられるようになっていることをまだ多くの人たちは知らないままでいる。
そんな生コンは全国最寄りの生コン屋さんで手に入れることができる。
日本には3,200以上の生コン工場があるとされている。
その中でも現在430工場が透水性コンクリート《ドライテック》の出荷の経験がある。
生コンポータルではこうした全国の積極的な生コン屋さんのご協力を得て透水性コンクリートの普及に努めている。
今回も、地元高野組 生コン事業部から建設現場にその生コンは届けられた。
施工開始。
非常にラフな格好(スニーカー)で施工されるのも、透水性コンクリート《ドライテック》の特徴だ。
おしゃれ施工者の必携アイテムと言っても過言ではないのではないか。
そして、次の瞬間、僕たちはとんでもない光景を目にすることになる。
なんと、お手製の幅広プレート!
元々幅広プレートとは通常のプレートよりも面積の大きなプレートにすることで転圧の効率を高めることを期待した道具。
ただ、鍛冶屋仕事が伴うので、そこそこお値段が張るというのが難点で、施工者をちょっとだけためらわせるものでもあった。
「10万以上もかかるなら、普通のプレートでいいか」
である。
しかし、今回の施工者さん、なんとバーベキューに用いる鉄板を固定してお手製幅広プレートを作ってしまった!
このように、ドライテックはいろんな地域のいろんな人たちの知恵が加えられ日々進化し続けている。
そうした全ての現場の記録はこうしてなるべく全て WEBで紹介するように努めている。
それを見た人たちに新たなアイディアを提供することにもなると思っているからだ。
施工After。
こうして「勾配をつけずに平らにしたい」という希望は叶えられた。
それにしても、まっ平。
そのうち、この土間コンが当たり前になる。
5年以内を目標としている。
25m2を5名で40分で仕上げ完成させてしまった。
お手製の幅広プレートも大活躍だったようだ。
いろんな地域でいろんな工夫で広がる透水性コンクリート《ドライテック》
生コンは地場産業だ。
特に、我が国のような東西南北に幅広く位置する島国では雪国もあれば南国もある。
そんな日本の生コンを画一的な何か1つに押し込める必要はないのではないか。
その土地土地いろんな生コンがあっていい。
透水性コンクリート《ドライテック》の進化はまさにそんな歴史を持っている。
中央集権的に、特定の仕様を持って「ドライテックです」というのではなく、「ああ、それもドライテックです」「ああ、これもドライテックです」という多様性。
いろんな地域のいろんなドライテック。
それは、施工方法や材料、いろんなところに個性が生まれる。
今回のように「お手製幅広プレート」もそんな多様性の一角を表している。
いろんな人がいろんな工夫をいろんな地域で行っている。
そんな全てを生コンポータルでは記録していきたい。
どんな未来がやってくるのか。
本当に楽しみに、いつも楽しく、仕事をしています。
宮本充也