2020/11/17
【神奈川】「水はけ、水勾配を忘れて施工に全集中」テディアート・小島商店

神奈川県座間市。お庭づくりのご相談をいただいた施工テディアートが水勾配が取れない案件であったため話題になっている透水性コンクリート《ドライテック》をインターネットで調べて採用。
製造:小島商店、施工:テディアート(担当:臼井勇介、32m2、100mm厚、3名、1時間50分)
「水勾配が取れない」普遍的ソリューション
施工Before。
見るからに「水はけ大変だこりゃ」である。
地下暗渠や水勾配などを付けようとするとどうにも無理が生じる。
無理やりやるとめちゃくちゃな計画になる。
こりゃ、大変だ。
そんな風にいつもながら困り果てている世の中の全ての施工者の方々の頭の中に「透水性コンクリート」というワードをインプットしたら世界はきっともっと喜びに満ち溢れる。
最近そんなことを夢想している。
透水性コンクリートってのがあることは知ってるが、自分ごととして捉えていない。
「あなたも普通に生コン買うでしょ?それと同じことですよ!」
胡蝶しのぶ風に耳元で囁いてあげたい。
全集中、施工。
(最近人気アニメ「鬼舞辻無惨」にハマっている)。
この方達はちょっと高度な技を繰り出している。
2枚目のます周りの施工にご注目いただきたい。
マス周りや端部などはドライアウトや骨材の剥離などが起きやすい。
そこに粒の大きめの粒ではなく、比較的小さめの粒(骨材)を意識的に配置することで剥離しやすい箇所の粒子がつまり安定する。
剥離・飛散抵抗性が向上するばかりでなく縁に位置する粒子が詰まっていれば見た目もクールになる。
絵も額縁次第で見た目が良くなったりするのと似たような現象だ。
これはなかなか高度な技であり、透水性コンクリートを長年施工してきた経験者でなければ繰り出せない技。
施工After。
凛とした緊張感のある美しい透水性コンクリートだ。
どんな敷地条件だったとしても、透水性コンクリート《ドライテック》は水はけの普遍的なソリューションとなる。
32m2の犬ばしり、アプローチ、駐車場舗装を3名でたった1時間50分で仕上げてしまった。
丁寧な仕事であるにもかかわらず素晴らしい迅速施工。
水はけのことは忘れて施工に全集中。
従来の土間コンクリートではこうはいかない。
生コン打設作業をしながら、水勾配と言って排水のための傾斜を2〜3%確保することに気を配らねばならない。
これにしくじると水たまりが発生しお客さんから「やり直し」を命じられる。
均し作業が終わったら、余剰水の乾き待ちで手待ちが発生する。
これから迎える冬本番。
何もできず3時間ほどぼーっと待ってねばならない。
それで終わりではない。
今度は金鏝を使って3回程度擦らねばならない。
これが、仕上げだ。
3時間ほどかかるだろうか。
つまり、従来の当たり前とされている土間コンクリートでは丸一日かかる。
丸一日集中力って続くだろうか。
僕なら無理だ。
一方のドライテック。
30m2を丁寧に施工しても2時間以内に終わっている。
2時間なら集中力は保てる。
初心者でも2時間なら全集中の呼吸が保てる。
水勾配とか余計なこと考えなくていい。
とにかくひたすら真っ平らに美しく仕上げることだけに全集中。
グッドデザイン賞2020の金賞を獲得し、巨匠隈研吾に見出された透水性コンクリート。
2020年はドライテックが新たな土間コンクリートの標準として認知された元年と言っていい。
2021年からは快進撃が始まる。
快進撃ってやつは、本当にすごいスピードだ。
たった数年でスマホが常識を変えてしまったように。
ほんの数年で、大地に蓋しないコンクリートが当たり前の景色になる。
すると、自然と人が調和する世界が再生される。
現代の利便性ももちろん担保される。
大地を削らない、汚さない、蓋しないコンクリートが標準になる日も近い。
宮本充也