2020/11/22
【福岡】「施主にだけ満足してもらうような情報発信ではダメ」朝倉生コンクリート・心建築工房

福岡県朝倉市。戸建て住宅の外構工事。「水勾配を取らなくていい」「雨上がりすぐ乾く」「足元が滑りにくい」などの性能を施主に提案し採用された。
製造:朝倉生コンクリート、施工:心建築工房(担当:早川、140m2、100mm厚、5名、7時間半)。
受益者ごとに数ある引き出し、透水性コンクリート。
施工Before。
以前自社の展示場で施工経験のあった施工・心建築工房の早川さんより、
「水勾配を取らなくていい」
「雨上がりすぐ乾く」
「足元が滑りにくい」
という性能にフォーカスして提案したところ採用いただいた。
これ以外にも、お施主さんのご要望に応じて数ある性能を引き出し伝える。
顧客が求めていることに応じて引出しを開けるのもプロの仕事。
そして、今回は140m2という大きな面積ということもあり重機(バックホー)の登場。
バケットに大量の材料を荷受けして一気に合理的に敷設する。
その敷設された材料をみんなでトンボやプラゴテを用いて均していく。
施工の始まりだ。
透水性コンクリートの施工上の特徴として途中でバタカクで区切り(施工ジョイント、目地)を入れることができる。
ピンカドとなったそこから当日そのまま打ち継いで行くことができる。
従来の土間コンクリートではとても無理な芸当。
施工After。
140m2という大面積を初めて施工した5名でなんと7時間半で仕上げてしまった。
土間コンクリートなら2日など数日にわたって施工し施工人員も増員が不可避だ。
色んな人にとって色んな性能の透水性コンクリート。
以下は、施工者らの声。
「これだけの面積を打てば、土間コンよりも安くなるね」
「2日+予備日で予定していたけれど、一日で終わって良かった!」
「簡単でいいですね」
「練習やった時よりも、いろんな話が聞けたので、今後も採用していきたい」
採用理由は施主目線だったが、実際に施工を体験されて施工者らもその性能を理解してくださった。
これまでの土間コンの常識
- ブリーディングや仕上げなどで作業が1日仕事となる
- 左官屋さんと生コン屋さんの予定が合わず工期がずれる
- メッシュ配筋施工の面倒と打設中の足元の面倒
- いつも頭を悩ませる水勾配の問題
- 土間コン表面に発生する「色むら」と「ひび割れ」でお施主さんとトラブル
- そのほか面倒くさいが沢山
新しい土間コンの常識
- 夕方から打てる土間コン→完成までたったの30分(住宅外構)
- 午後なら生コン屋さんの予定も入りやすい
- 水勾配を考えなくてもいい、透水性コンクリート
- メッシュ配筋の設置不要、打設作業も楽
- ペーストがないから「色むら」がない「ひび割れ」が見えない
- その他ハッピーが盛り沢山
上記は、施工者目線で比較した従来の土間コンクリートと透水性コンクリートの性能。
施主にだけ満足してもらうような情報発信ではダメ。
もちろん、施工者だけとか、製造者だけとかでもダメ。
三方よしが価値の普及の大原則。
「この製品は普及するととても素晴らしいので、みなさん我慢してください」
は絶対に通らない。
そんなの大企業のゴリ押しの売り方だ。
下請けいじめや代理店いじめ(あるいはメーカーいじめ)。
これからの価値は、携わる全ての人たちに価値提供しなければ、本来の理解が得られない。
押し売り、無理強いは、本来の力強い普及にはつながらない。
だから僕たち当事者は繋がる全ての人たちの想いに寄り添っていかねばならない。
そのために、毎日僕たちは現場を訪ねる。
いつまでもいつまでも。
現場で求められていることに敏感で、さらなる価値を生み出しお届けするために。
その活動の先には大地を削らない、汚さない、蓋しないコンクリートが広がり、自然と人が調和する世界が再生されているのだと思う。
宮本充也