2020/12/08
【福島】「まさか自分で生コン車呼んで施工する日が来ようとは思わなかった」猪苗代生コン

福島県猪苗代町。戸建て住宅の駐車場に採用。HPやYouTubeをご覧になられた施主と友人等でDIYを決意。施工指導員(二見メンバー)が前日に現場を訪ね、水糸を張って下地を確認。施工厚、不陸やバラつきを発見し、急きょ手直し。施工素人のみでも透水性コンクリートの駐車場は見事に完成。 (二見メンバー報告)。
製造:猪苗代生コン(担当:佐藤哲弥工場長)、施工:施主らDIY(50m2、100〜150mm厚、6名、3時間)。
とても楽しかった!
施工Before。
今回は建設や施工とは縁もゆかりもない一般の方々6名によるDIYへの施工指導員派遣。
前日施工現場を訪ね、写真のように水糸を張って施工厚を確認したところ、ばらつきを発見し急遽手直しを行う。
やはり素人だけでは事前準備もなかなかうまく行かない。
厚すぎるならまだしも、薄すぎる場合は割れの原因ともなるので注意が必要だ。
今回材料を製造し届けてたのは地元猪苗代生コン。
誰もが四角い箱から滑り台のようなものがニョキっと飛び出ているこんな光景を見たことがあるはずだ。
日本全国にはこうした生コン工場が3,200以上ある。
あなたの地元にも必ずある。
ドライテックはそんな生コン工場から建設現場に届けられる。
「まさか自分で生コン車呼んで施工する日が来ようとは思わなかった」
お施主さんのコメント。
僕たち生コン製造者もまさかDIYの現場に生コンをお届けする日が来ようとは思いませんでした。
DIY、一般の方による施工で最も難しいのは、平坦性の確保。
慣れない施工に集中するためどうしても近視眼で物を見ると、凸凹や傾斜に気づかないまま仕上げてしまう。
それを防ぐために、写真にあるように定規(長い角材)を型枠と型枠の上に置いて凸凹を確認できるようにしている。
これは機械施工(アスファルトフィニッシャ)を再現しており、凹凸・不陸を防ぐだけでなく、施工厚をきちんと確保するにも有効。
施工After。
「とても楽しかった!」はお施主さんたちのコメント。
50m2もの大規模な駐車場は今や一般の方々6名で3時間で施工が完了してしまう時代だ。
まさか自分で生コン車呼んで施工する日が来ようとは思わなかった。
これはそのまま、「まさか一般人に生コンをお届けする日が来ようとは思わなかった」である。
本当に現代は目まぐるしく変化すると実感している。
ドライテック(生コン)をDIYするなんて、普及活動を始めた15年前には想像しなかった。
きっかけは、昨年12月ごろ立て続けに注文があった一般からのDIY問い合わせ。
今年で5年目を迎える情報発信活動(1日にブログ3本以上をUPする)が訴求する先は、従来の産業構造の情報脈と違って、不特定多数の人々に届く。
元々僕たち生コン製造者の情報発信はせいぜい施工者に届くのがやっとだった。
しかも、縦割り階層の構造の上を情報が伝達されるわけだから、拡散も限定的。
「HP見てたら、自分でドライテック施工できそうだなって思いました」
こんな問い合わせを生コン製造者が受け付けること自体が奇跡的な話だ。
来年の2月末で生コンポータルの情報発信(1日3本以上記事更新)はまる5年を迎える。
僕たちはこの取り組みを10年継続することにコミットしている。
始めた頃には考えられないような出来事がこの5年で起きた。
全くの無名だった透水性コンクリート《ドライテック》はいろんなご縁もあって、今や水を通す土間コンクリートの代名詞になった。
今回のように一般の方の手により施工されるのも当たり前になった。
5年前にはとても当たり前じゃないことが、今当たり前のように起きている。
「生コンにはインターネットは関係ない」
そうたかをくくっていらした方々は今や時代に取り残されたオワコンだ。
生コンにこそ、インターネットは関係あった。
インターネットと企業間連携はこれまで互いに出会うことのなかった人や企業を結びつけた。
超地場産業生コンにあって、静岡に寄せられた福島県の一般の方のニーズに、福島県の生コン製造者がダイレクトに応える。
そんな時代に僕たちは仕事をしているのだ。
どんなとっぴなアイディアだって大丈夫。
大切なのは継続することでそのとっぴなアイディアを形にすること。
誰もが想像しなかった「インターネットで生コンをマーケティングする」は今こうして当たり前になってしまったのだ。
これからも、「生コン」「建設」という従来のフレームにとらわれず、自由に想像して自由にアクションを起こしていきたい。
宮本充也