2020/12/09
【群馬】「逆勾配なので、ドライテック。楽して儲けてください」高総建設

群馬県高崎市。戸建て住宅駐車場並びにアプローチに採用。建物向かって左側は土間コンクリート。アプローチは透水性インターロッキング下地にドライテック。右側(今回施工)がドライテック。道路から家側に下がっている(逆勾配)透水性コンクリートを採用した。
製造:匿名、施工:高総建設(担当:金井紀久、39m2、100mm厚、5名、1時間40分)。
施工動画
逆勾配なので、ドライテック。
施工Before。
道路から家に向かって傾斜することを「逆勾配」と言って排水が問題となる。
よく見かけることのできるように、道路と敷地の間にはU字溝など側溝が配置されていて、排水設備に向かって家から傾斜がついている(勾配)のが標準。
それが、逆。
雨が降れば建物の方に水が流れる。
玄関前が浸水する。
出勤のたびに足元ビシャビシャ。
それじゃ困るからと大掛かりな排水工事を行うことになる。
エクステリアに携わる人であれば必ずこうした問題に直面したことがあるはずだ。
透水性コンクリートであれば路面全てが側溝みたいになる。
どこでも、かしこでも、排水。
水が吸い込まれていく。
エクステリアの困りごと逆勾配は透水性コンクリートにかかっては何の問題でもなくなる。
これまでも数多くの現場でこの理由により透水性コンクリートは採用されてきた。
敷設された材料をプラゴテやトンボで平坦に均す。
振動プレート(30kgタイプ)は初心者でも取り扱いが簡単で、DIYでも利用されるほど。
建機リースのお店で1日2,000円くらいで借りることができる。
敷設、均し、転圧。
これだけで施工は終わる。
従来の土間コンクリートのように、左官工のような専門職を外注しなくとも良い。
ワイヤーメッシュがないことで足元も安定して施工ができる。
施工After。
39m2を5名で1時間40分で仕上げた。
従来の土間コンクリートの最大の違いは、「早く終わる」である。
いまだに新しい材料ということで毛嫌いする向きもあるようだが、一度でも施工を経験すれば誰もがわかる。
従来の土間コンクリートの場合、これから迎える冬本番には1日掛はおろか、深夜にまで仕上げ作業が及ぶことが当たり前だ。
だから、注文は朝一番となるのだが、出荷が集中するため、生コン工場の予定が入りづらい。
左官、場合によってはポンプ業者など、複数の登場人物との調整が大変。
工程が遅れる。
それがこれまでの土間コンクリートの常識だった。
2020年ブレイクを迎えた透水性コンクリートはそんな土間コンの常識を見事に変えてしまうことになる。
施主にも、施工者にも、製造者にも優しいコンクリートで土間コンを施工しよう。
これまでの土間コンの常識
- ブリーディングや仕上げなどで作業が1日仕事となる
- 左官屋さんと生コン屋さんの予定が合わず工期がずれる
- メッシュ配筋施工の面倒と打設中の足元の面倒
- いつも頭を悩ませる水勾配の問題
- 土間コン表面に発生する「色むら」と「ひび割れ」でお施主さんとトラブル
- そのほか面倒くさいが沢山
新しい土間コンの常識
- 夕方から打てる土間コン→完成までたったの30分(住宅外構)
- 午後なら生コン屋さんの予定も入りやすい
- 水勾配を考えなくてもいい、透水性コンクリート
- メッシュ配筋の設置不要、打設作業も楽
- ペーストがないから「色むら」がない「ひび割れ」が見えない
- その他ハッピーが盛り沢山
大地に蓋をしないコンクリート。
環境再生に絶対に必要なテックと信じて普及活動をはじめて15年。
「環境に優しいんだから、使って当然です!使わないのは悪いことです!」
そんな態度では市場と顧客には評価されない。
ダメなボランティア団体みたいな押し売りではダメ。
売れない。
世間の評価を得るようになるためには製品が顧客に届くまでのすべてのプロセスに配慮しなければダメ。
顧客、つまり施主が透水性コンクリートを購入する、に至るまではまず生コン製造者があって、そこから材料を購入する施工者が存在する。
顧客だけを満足させれば、製造者や施工者は我慢して貰えばいい、ということでは売れない。
何よりもまず初めに、生コン製造者にとっての問題解決策として、価値を確立していかねばならなかった。
続いて、施工者。
「色々しちめんどくせえから土間コンでいいや」
にならないよう、ドライテックを選ぶ理由をきちんと明示して伝える。
しこうして後にようやく顧客に価値は届く。
ようやっと「大地に蓋しない」が実現する。
技術者の思い入れだけでは世界の景色は変えられない。
これから透水性コンクリート《ドライテック》を製造・施工してみようと思われている方には是非安心して取り組んでいただきたい。
決してこの材料は新しいものではない。
我が国の歴史としては40年近いテックだ。
ポーラスコンクリート舗装という技術。
ヒートアイランド現象や洪水被害がますます深刻化する現代にあってなくてはならないテック。
「環境のため。無理して、我慢して使ってください」
とは言わない。
「楽して儲けてください」
それが、結果として、環境のためにもなる。
深夜まで金鏝仕上げで苦しむから利益を得るのではない。
掘削、残土処分、路盤、型枠、土間コン仕上げまでがたった1日の中に収まってしまう土間コン。
雑草やぬかるみから解放され、排水も気にしなくてもいい、真っ平らにできる土間コンでお施主さんにも喜んでもらえる。
楽して儲けてください。
これからの土間コンの常識です。
宮本充也