2020/12/21
【徳島】「数日でぼろぼろととれており、さらにガタガタで一歳の娘もつまづいて怪我をしてしまいました」

施工件数が飛躍的に増大した。ドライテックの施工件数の分母が増えれば、分子、つまりいろんなケースのドライテックが増えてくる。中にはクレームが生コンポータルに寄せられることだってある。「数日でぼろぼろととれており、さらにガタガタで一歳の娘もつまづいて怪我をしてしまいました」。どんな声にも誠実にお答えするのが生コンポータルの流儀。
ボロボロと取れるのは仕方ない?
私は※月に新築を建て、外構には貴社のドライテックを使用させていただきました。しかし、数日でボロボロと取れており、さらにガタガタで一歳の娘もつまづいて怪我をしてしまいました。施工業者には失敗ではなくそういうものでボロボロと取れるのは仕方がないというふうに言われました。そういうものなんでしょうか?施工は※月に行っております。一部は直してもらいましたが、そういうものなのかどうか教えてください。
骨材飛散・剥離について。
生コンポータルにはドライテックに関する数多くの問い合わせご相談が日に何件も寄せらる。
そして、それらの受付の多くは当社ではなく、そのご当地の施工者・製造者に委ねられる。
生コンポータルは透水性コンクリート《ドライテック》に携わる数ある企業の1であって、従来のプロダクトのように中央集権的に供給するメーカーではないというのが特徴。
そのため、すべての受付に対して当社が窓口となって対応できないのが事実(実際当該案件も当社ではなく、ご当地の施工者との契約だったはず)。
その上で、当社の役割は、数多く寄せられる問い合わせのうち、顧客が知っておきたいだろう情報・疑問に対する答えをWEBで発信することで少しでも参考にしていただく、ということになる。
「一歳の娘もつまづいて怪我」
大人としてそのような事態を知るになんとも悔しく辛い思いに苛まれます。
「ボロボロと取れるのは仕方がない」
といういずれかの施工者のご説明があったようです。
ドライテックに15年費やしている立場からすればあまりにも雑な説明のようにも感じますが、実際に現場を訪ねたわけでもなく、どのような供用環境なのかも把握しない上で不用意にご回答するのは避けたいところでもあります。
その上で、一般論として今回お寄せいただいたご質問に以下の通りお答えしたいと思います。
注意
<メーカー現地調査により数量変更となった場合>
※数量増:増えた数量分のご注文をあらためてお願いいたします。またご注文完了後、その旨をモノタロウまでご連絡ください。
※数量減:減った数量分を決済方法に応じて、ご返金とさせていただきます。
<施工の注意事項>
※現状の「コンクリート」「土」「砂利」「芝生」は撤去し、10cm以上のよく締め固めた砕石層を造成し、外枠を納品日前日までにご準備ください。
※施工納品前までに準備画像までお願いいたします。
※施工完了後、7日間は車の駐停車はできません。
※施工完了後、翌日から歩行ができます。
※透水性能が低下した場合は高圧洗浄等で清掃してください。
※材料に微量の鉄分が含まれますので、サビ等が発生する場合がありますが使用に問題はありません。
※材料の一部が欠け・剥離する場合がありますが使用に問題はありません。
※天然材料を使用しているため、粒の大きさが一定ではありません。
※年間平均気温が0度を下回らない地域のみの対応となります。
※施工当日の気温が氷点下となる場合は施工ができません。
※施工当日が雨天の場合は施工ができません。
※車両重量3t未満のみの耐用となります。
※納入車両が通る道幅は3m、高さは3.5m必要となります。満たさない場合は施工ができません。
※地下水流等により水が湧出している箇所は施工ができません。
※屋上・ベランダ等は対応外となります。
※施工納品は平日9時から16時までとなります。
※商品特性上、ひび割れることがあります。
※天然材料の色や原料の成分により色の濃淡が発生します。
※施工準備のため敷地の一部及び水道・電気を貸与いただく場合があります。
※凍害・7日以内の車両乗入れ等不可抗力で発生した変形については免責となります。
※クラック幅2mm未満のものは免責とさせていただきます。
※100平米あたりの剥離(骨材飛散)は骨材個数(大きさ5mm以上)が300粒を超える場合は協議の上補修施工となります。
※小運搬一輪車(幅70cm・高さ2m)の経路が30mを超えたり不可能な場合は施工ができません。
※ロット違いにより色ムラや色違いが発生する場合がありますが品質に問題はありません。
(MonotaROより抜粋)
100平米あたりの剥離(骨材飛散)は骨材個数(大きさ5mm以上)が300粒を超える場合は協議の上補修施工
「骨材飛散が全く起きない」ということはできません。
従来の土間コンクリートをはじめ、あらゆる現場で施工される舗装がそうであるように、「人の手」が介在する製品は現場であらゆる変数に晒されます。
そのため、MonotaROさんのような不特定多数の購入者から受付される商取引の中ではこのような面積事項を設けております。
ただし、100m2あたり300粒程度の骨材剥離は、
「数日でボロボロと取れており、さらにガタガタで一歳の娘もつまづいて怪我をしてしまいました」
という状況は想定されないため、こちらの見解をもとに今一度施工者とのご協議をお勧めします。
適切なタイミングにおけるプレート転圧さえしておけば骨材剥離は最小限に抑えられる。
骨材剥離の原因の多くは、セメント水和に必要な水が蒸発してしまった状態での締め固め・仕上げ、となります。
小石と小石の周りに付着しているセメント(ペースト)が乾いてしまっていては、いくらくっつけようと硬化しないため、施工後ボロボロと剥離してしまいます。
そのため、施工要領にはまだ水分が蒸発しない(白くなっていない)状態での転圧が必要です。
現在普及の急拡大の只中、施工者向けの参考となるよう「プレート転圧のタイミング」を解説する動画の作成を行なっております。
⚫︎参考記事: 「転圧はどのタイミングでやればいいの?」プロの施工者に指導する指導員養成《ドライテック施工指導マニュアル》動画
転圧前の材料に手を触れて写真のように骨材周囲のペーストが掌に付着するようであれば転圧OK。
きちんと水和のための水分が残留していることがわかる。
一方、こちらの写真のように掌で触れてもほとんど付着がないような場合はプレートコンパクタの使用を控えるべき。
もし、この時点でさらに材料を追加して転圧したい場合には、一体の材料をスコップやトンボなどで掻き乱し、改めて新しい材料を追加し、その上で転圧を行う。
おそらく、骨材剥離が激しい、という状況は、この転圧のタイミングが遅すぎ、または乾いた材料を転圧した、ということに由来するものだと考えられる。
骨材がポロポロと取れてしまう。これってもうダメなの?
施工不良、あるいは想定以上の応力がかかって剥離してしまった骨材は補修できる。
こちらの動画を施工者に紹介して適切な対応のご依頼をお勧めいたします。
ボロボロと取れるのは仕方ない?
実際に足を運んだわけでもないので、決定的なことは申し上げられないのが心苦しいですが、仕方のないことではない、というのが答えとなります。
適切な施工、適切な補修で、ぼろぼろ(骨材飛散)は事前、事後ともに防ぐことができる。
ドライテックの歴史も15年。
2020年には普及も急拡大した。
以前は生コンポータルの職員が直接現地に赴いて施工指導をすることができていたが、今ではあまりにも件数が多すぎて対応ができないようになっている。
それでも、施工指導員の要請や動画など解説コンテンツの充実をさせることによって、マンパワーに頼らないフォローアップ体制の確立を急いでいる。
大切なのことは、一つ一つの声に真摯に向き合うこと。
都合が悪い、あまり良くない、そんなことこそ、今回のように晒して、堂々と向き合うべき。
起きてしまったことは辛いことだ。
せっかく納品した舗装がボロボロと欠損してしまう。
平坦ではなくなってしまう。
ものづくりの担い手としては悲しいばかりだ。
それでも、このプロダクトの価値を信じて15年、そしてこれから永遠に、携わろうとしている1人として、真摯に向き合い続けていきたい。
この材料が普及し、大地が蓋されなくなった暁に、自然と人が調和する本来の世界が再生されることを知っているからだ。
これからも、多くの質問に、真摯に答えていきたい。
宮本充也