2020/12/30
【京都】《インターロッキング》《アスファルト》《真砂土》徹底比較!「【祝】京都市発注《ドライテック》と仕様書に指定されました」(後編)

「京都市発注のドライテック9m3(72m2分)出荷しました!」(京都福田山城さん共有)。世界的な環境都市である京都市発注(公共物件)の仕様書で「ドライテック」が指名された。いよいよ舗装材の標準となったドライテックは、先行舗装材「インターロッキング」「アスファルト」「真砂土」に比べどのようなメリット・デメリットがあるのかについて(後編)。
⚫︎前編: 【京都】《インターロッキング》《アスファルト》《真砂土》徹底比較!「【祝】京都市発注《ドライテック》と仕様書に指定されました」(前編)
インターロッキング、アスファルト、真砂土、徹底比較
⚫︎インターロッキングブロック舗装との対比
(出典:https://www.nippon-c.co.jp/products/keikan/int_rcblock.html)
ドライテックメリット:インターロッキングブロックの最大の弱点は、「凸凹(ふりく)」と呼ばれる現象で、舗装面が一体ではなく、複数のピースで構成されているため、長年の供用で表面が凸凹、うねうね、段差がついてしまうこと。段差で足を引っ掛けて転倒したり、ブロックとブロックの隙間から雑草が生えてきたり。その点、ドライテックならば、一体構造であり無機質(Si、Ca)であるため、凹凸ができることはない。隙間から草が生えるという心配もない。
ドライテックデメリット:僕はあまり納得していないのだが、「意匠性」「デザインの自由度」をあげる人がいる。インターロッキングの場合、いろんな色のブロックを組み合わせてあれこれ楽しめる、という点を挙げる方もいるが、ドライテックだって塗装でいろんな表現ができる。さらに、補修・メンテナンス性能を挙げる方もいる。舗装の一部が破損した場合、その部分のブロックだけを置き換えることができる、という主張だが、ドライテックとてその部分を打ち変えれば問題ない。「カッターで切った後が目立つ」と言い出す人もいるが、じゃあ、破損した後のブロックだってそこだけ新しく目立ったり、なんならアスファルトで舗装されている惨めな状況を観たことがあるぞ。
(ドライテックの意匠性:https://www.nr-mix.co.jp/dry_tech/blog/ballaholic_12.html)。
(アスファルトによる補修でマダラになっているインターロッキングブロック舗装:https://www.engineer-architect.jp/serial/cate/note/242/)。
⚫︎アスファルト舗装との対比
(出典:https://images.app.goo.gl/X8Tbii3hQ613zq8Q8)
ドライテックメリット:何よりも、無機質か有機質かで語ることができる。アスファルトは有機質(熱可塑性樹脂)をバインダ(結合材)として採用している。結合材が有機物だと耐久性に難が生じやすい。たとえばわかりやすい例でいうと、「ポリバケツ」「輪ゴム」なんかが有機質で身近なところ。ポリバケツや輪ゴムを外に放置して10年経つとどうなるか?変性・劣化してしまって、パリパリと砕けやすくなる。これと同じことがアスファルト舗装には言えるのだ。アスファルトで道路を舗装してもすぐにダメ(わだち、骨材剥離・飛散、ひび割れ)ですぐに施工し直しているのをよく見かけるはずだ。一方、ドライテックは無機質。ガラスや石の仲間。西日に30年照らされたから溶けたり変性したりする窓ガラスなんて想像できないはず。ドライテックの耐久性は永遠。
ドライテックデメリット:端的に「交通開放までの時間」とすることができる。一般にアスファルトは「冷めたら固まる」ので、冷めて仕舞えば、その日のうちにどんな車両でもその上を走行することができる。ドライテックはコンクリート。効果のメカニズムは水和反応。時間の経過とともに徐々に結晶構造物が生成し硬化していくため、コンクリート舗装全般に言えることだが、交通開放までに5〜7日かかることが知られている。もちろん、ジェットセメントなどの利用でその時間を短縮する試みはなされているが、その成果は限定的である。このデメリットの解消は今後の技術革新に委ねられている。逆に言えば、この点だけを解消してしまいさえすれば、アスファルトを採用する理由は無くなってしまう。
(アスファルトのわだち:https://images.app.goo.gl/DW4N9j2vzpe61dy88)
(アスファルトの骨材飛散:https://images.app.goo.gl/XoxuoXj6rPntGYhM8)
⚫︎真砂土舗装との対比
ドライテックのメリット:もう、ぶっちぎり、強度。硬さ。その点がドライテックが真砂土舗装に対して秀でている部分だ。コンクリートは頑丈だ。簡単にポロポロと取れたり欠けたりしない。コンクリート舗装は50年ノーメンテなんて話も業界ではよく知られている。一方、真砂土舗装はどうしても天然の土を原料としているため、長年の供用で表面が割れたりボロボロと欠けてしまう。そこから雑草も生えてくる。
ドライテックのデメリット:環境との調和性を上げる方が多い。コンクリートのような人工的・無機物で蓋してしまうよりも、土を由来として見た目も茶色(土色)の周辺環境(植栽土壌など)と調和する真砂土を好む人も少なくない。ただ、ここでも黙って引き下がれないが、所詮真砂土としたところで硬化メカニズムはセメントに依存している。コンクリートと同じことだ。大地を削ってる。それに、見た目の「茶色」だって、ドライテックの人気カラーにはアースカラー系が充実している。事実、「真砂土の風合いが好きで採用したいけれど、駐車場にするとすぐにダメにするからドライテックでお願いします」という採用理由も多い。
(真砂土舗装の表面剥離状態:https://www.nr-mix.co.jp/topics/post_221.html)
書いてて気づいたが、ドライテックを愛し抜いている僕が書いてもどうせドライテック側に贔屓目の論旨展開となってしまう笑。
こういう比較は生コンポータルのような特定の法人ではなく、庭ファンのような公平・中立な立場から紹介された方が参考になるのかもしれない。
いずれにせよ、もっともっと風通しよく、いろんな舗装材が公共物件も含めたらゆるシーンで公平な比較をされることが、社会にとってより有益であることには違いない。
生コンポータルでは引き続き各種舗装材についての情報収集に努め、よりよい舗装の普及に努めていきたい。
地球に蓋をしない、自然と人が調和する世界を具現化するコンクリートテック。
ドライテックがもっともっと認知されるよう努めたい。
宮本充也