2021/01/04
【栃木】「《知らない》を《知っている》に変える」菊一生コン・ジャービス商事

栃木県宇都宮市。施主より、「駐車場とアプローチに(水)勾配をつけたくないのでドライテックを」との要望があり、ハウスメーカーの協力施工者ジャービス商事にて提案、採用された。ジャービス商事はこれまで何度もドライテックを施工していた。
製造:菊一生コン(担当:田中達)、施工:ジャービス商事(担当:大室直、45m2、100mm厚、6名、2時間)
これまで何度も施工している
施主からの、「駐車場とアプローチに(水)勾配をつけたくない」という希望がハウスメーカーに寄せられた。
当今の一般の方々はインターネットでとにかく知識を身につけている。
「ドライテックがいい!」
と希望を寄せられて慌てるのはハウスメーカー。
「へ?ドライテック?」
無論、ハウスメーカーは多種多様な建築材料に関する知識や法令、顧客対応に関するマナーなどを身につけておかねばならない。
最近話題のドライテックとはいえ、建築外構の、それも、舗装分野の話。
知らないのも無理はない。
専門家であればあるほど「ググる」が一般的ではないように思う。
一般人がググる、YouTubeで調べる、が普通であるのに対して、プロはどうしても従来の産業の取引関係にその知識を頼ろうとする。
インターネットのにわか知識で下手を打つのが怖いからだ。
そして、下請け協力業者のジャービス商事はたまたま運よくドライテックを「これまで何度も施工している」施工者だった。
こうして、点と点がつながる。
最近、こうしたことがつと増えてきた。
今回の施工班はこれまでドライテックを触ったことがなかった。
そのため急遽施工指導員として担当者まさつぐが招請された。
施工そのものはDIYでも挑戦可能なほど単純な工程、作業の繰り返し。
敷設された材料をトンボ等で平坦に均し、その後ろからプレートコンパクタ(30kg、今回は幅広タイプ)で締め固めるだけ。
一般向けDIYマニュアルまで用意されているほど、施工上の敷居は低い。
だからこそ、明暗を分けるのは、「知っている」または、「知らない」というだけの違い。
もし、仮にジャービス商事が「知らない」だった場合、今回のようにお施主さんの希望は簡単に叶えられていなかったはずだ。
この時代だからこそ、「知っている」「知らない」の違いが鮮明に意味を持ち始めるのだ。
僕たちの使命は、「知らない」を「知っている」に変えること。
つまり、情報発信。
「知られていないことは存在していないのと同じこと」を肝に銘じ、地道に伝える努力をし続けること。
僕たちが知らないだけで、もしかしたら世の中には「知らない」だけで願いが叶わなかった多くの現場があるのかもしれない。
そして、そのことは、それだけ地球に蓋しているということをしっかりと認識しなければならない。
施工After。
お施主さんのご希望通り、勾配のない真っ平らな駐車場とアプローチ、45m2は6名でたった2時間で見事な仕上がりで完成。
もしも、ハウスメーカーの協力会社がジャービス商事でなければ。
その「もしも」不確定要素をなるべく減らしていくことが、今生コンポータルが最優先すべき仕事だ。
施工業者一覧
そのために、1社でも多くの施工者(製造者)を増やすべく、庭コンの業者リストの充実を図っている。
5年以内の目標業者数は6,000社だ。
「これまで何度も施工している」施工者を増やすことが、新しい土間コンとしての透水性コンクリートへの道。
これまでの土間コンの常識
- ブリーディングや仕上げなどで作業が1日仕事となる
- 左官屋さんと生コン屋さんの予定が合わず工期がずれる
- メッシュ配筋施工の面倒と打設中の足元の面倒
- いつも頭を悩ませる水勾配の問題
- 土間コン表面に発生する「色むら」と「ひび割れ」でお施主さんとトラブル
- そのほか面倒くさいが沢山
新しい土間コンの常識
- 夕方から打てる土間コン→完成までたったの30分(住宅外構)
- 午後なら生コン屋さんの予定も入りやすい
- 水勾配を考えなくてもいい、透水性コンクリート
- メッシュ配筋の設置不要、打設作業も楽
- ペーストがないから「色むら」がない「ひび割れ」が見えない
- その他ハッピーが盛り沢山
一度施工してしまいさえすれば納得するはず。
売り込む必要はない。
従来の土間コンはあまりにも施工者(そのほか)に負荷を与え過ぎているのだ。
それ以外に代替品がなかったというだけで、誰をも思考停止に陥らせてしまっていたのだ。
現代のコンクリートテックはその停滞を打破することができる。
施工フローでも見てもらってわかるように、転圧しただけ以上おしまいなのだ。
この文章は、「施主」「施工」「製造」3要素のいずれかの人に届いているはず。
ブログを始めた当初5年前には「誰にも読まれていない」が当たり前のこの生コンポータルの情報発信も多くの人々に読まれるようになったようだ。
BtoBゴリゴリの生コンがインターネットで価値を発信する理由。
「生コンをもっと身近に」
それが、世界の景色をより美しくすることを知っているからだ。
昨年から協業が加速しているエクスショップは日本で一番エクステリア資材を販売しているECだ。
閉鎖的・保守的生コン産業はBtoCの女神エクスショップに出会い、そのエネルギーを解放し始めた。
地球に蓋しないコンクリート。
誰もが求めるこの付加価値をBtoBの檻の中に閉じ込めておいてはもったいない。
失われてしまった自然と人との関係性を再生する先端コンクリートテクノロジー。
1人でも多くの人にこの価値が届き、世界の景色を変えるきっかけになれば幸甚である。
宮本充也