2021/03/25
【東京】「なんで土間コンにはカラーコートしないのにドライテックは色がつけられるの?」都屋建材・すざき

東京都東大和市。製造・都屋建材都築さんから寄せられた現場共有。周囲をぐるり囲まれた敷地であり排水が課題となってドライテックが採用された。トップコート(モカ)が採用されている。
製造:都屋建材(担当:都築晋也)、施工:すざき(45m2、100mm厚、トップコート:モカ)
カラーコートできる土間コン
人口密集地東京だけあって隣地とのギリギリに建物が建てられる。
犬走は必ず「水はけ」が問題となる。
防草シートに砂利敷きで数年後に雑草に苛まれるか、土間コンにして無理やり排水設備を設置するかしかなかったこの分野にドライテックは第3の選択肢を提供している。
この写真、実によく撮れていて、お隣さんのブロック舗装の隙間からは見事に雑草がはみ出している。
冬なのに笑。
玄関前、駐車場の舗装はトップコート(モカ)でカラーリング。
マスキングテープを撤去した写真はないが家の顔・玄関周りはカラーコートされた土間コンが引き立たせることだろう。
普通の土間コンにカラーコートしない理由
土間コンといえば、あの真っ白で平滑な見た目一択というイメージ。
スタンプコンクリートとかステンシルコンクリートなど特殊工法を除けば、エクステリア業界では土間コンにはトップコートしないのが常識。
ペンキでベタベタ塗らないことが当たり前になっている。
なんで?
業界関係者でも冷静にこの問いを立てることはないのではないか。
色々な理由が考えられるがここではコンクリートの性質と塗料の想定している供用環境をあげたい。
コンクリートは硬いスポンジ構造。
その辺の土間コンにコップ一杯の水を垂らして静かに耳を澄ませてみよう。
しゅわしゅわしゅわと音を立てながら本当に少しずつ水がコンクリートの表面から中に向かって入り込んでいることがわかるかもしれない。
実は、コンクリートは無数の空隙(細孔空隙)を内包する構造となっていて、空気や水が僅かに入り込んでいく。
(完全に密実ではないから表面から中性化などのように劣化するのだけれど)
セメントと反応(水和反応)しなかった水もコンクリート内部には存在している。
その水は水蒸気として自由にコンクリートの外と内側を出入りする。
そこに樹脂のトップコートをベタっと塗りつけてしまったらどうなるか。
ペンキは内側からの水ぶくれにさらされる。
さらに、供用環境。
壁とかではない。
床、それも、駐車場。
普段から踏圧や輪荷重などにさらされる過酷な環境。
内側から水ぶくれし、外側からは度重なる荷重にさらされる。
最初は綺麗にコーティングされたとしてもすぐにダメになってしまう。
だから、コーティングしない。
一方ドライテックは細孔空隙を内包するペーストは粗骨材の周囲ほんの数mmにしかない。
通常の土間コンのように100mmの厚さで硬いスポンジが構築されているのとは違うのでそもそもペースト部分の水の出入りの量はごくごくわずか。
だから、水膨れのような現象は起きにくい。
さらに、老舗仕上げ材メーカーが送り出す専用トップコート(フッコー)。
床、駐車場のような過酷な環境を想定して製造されている専用塗料。
だから、度重なる荷重にも耐えられるように設計されている。
文章で説明するとなかなか難しいが、上記の理由で通常の土間コンにはカラーコートは採用されない。
通常のコンクリートとポーラスコンクリートは細孔空隙の数が違う。
ペンキはそもそも床のような過酷な供用条件を想定していない。
実際にはトップコートは全体の1割程度しか採用されてはいないのだけど、よくよく考えるとドライテックならではの強みということもできる。
玄関周りなどワンポイントでもトップコートできるからだ。
アースカラー系が人気。
じっくりと考察する。
「なんで土間コンにはカラーコートしないのにドライテックは色がつけられるの?」
顧客から見て選択の幅が広いのもドライテック。
あなただけの色で一生付き合う自宅の舗装をコーティングしよう。
宮本充也