2021/04/07
【静岡】「娘が同居してますが草取りやりそうもないので」仁科組

静岡県伊豆の国市。庭を舗装したいという施主からの問い合わせ「仕事も早いし水勾配も取らなくていいので」ドライテックを提案し採用。作業中ご近所さんがいらして「うちもそれで家の周りやったらいくらになるか?」と見積もり依頼が寄せられる。「今は草取りできるけどもう少ししたらやれなくなりそう」「娘が同居してますが草取りやりそうもないので」
製造:長岡生コンクリート(担当:まさつぐ)、施工:仁科組(50m2、80〜100mm厚、4名、1時間30分)
現場で見積もり依頼
施工Before。
もともとお庭だったところを土間コンで舗装して欲しいという問い合わせが寄せられた。
まだまだエクステリアの舗装といえば一般には従来の土間コンが想起される。
土間コン一択。
だから、施主も施工も「舗装といえば土間コン」と短絡的に結論づけ、結果水勾配やら排水やらに悩まされる。
それでも仕方ないと思っている。
なぜなら多くの人々はポーラスコンクリート(ドライテック)の存在を知らないからだ。
そんなふうにして多くの地面は水も空気も通さないコンクリートで蓋されてしまう。
嘆かわしい現実。
そして、今回のお施主さんは本当に本当に幸運なことに問い合わせた施工者・仁科組はドライテックを知っていた。
「仕事も早いし水勾配も取らなくていいので」
施主さんへの価値提供だけじゃない。
仕事も早いから自分(施工)にとっても都合がいい。
三方よしとはまさにこのこと。
こうしてドライテックが採用され地面が無闇に蓋されることは免れた。
施工フローはシンプルで迅速。
レーキやプラゴテで表面を平坦に均す。
この際水はけを意識した傾斜(水勾配)をつける必要はないので極論真ん中が凹んでいたとしても水溜りの心配はない。
水はけ、そして水と空気の流通は施主、暮らす人に提供される価値。
そして、その作業を追いかけるようにしてプレートコンパクタがすぐに締め固めて仕上げ・完成となる。
従来の土間コンと違ってブリーディングや金鏝仕上げに数時間も奪われることがない。
午後からだって楽々施工ができる。
これは働く人、つまり施工者に提供される価値。
だから、施工者はドライテックを勧めたくなる。
施主も喜ぶ。
施工After。
50m2は4名でたった1時間半で完成。
終わりぎわに見学に訪れたご近所さんから仁科組さんに見積もり依頼笑。
なんでも、「今は草取りできるけどもう少ししたらやれなくなりそう」「娘が同居してますが草取りやりそうもないので」とのこと。
今から迎える夏本番に備えて自宅のお庭を整備しておきたいということだった。
インターネットでの情報発信に腐心していたがこんなふうに問い合わせが寄せられるのも面白い。
知らないだけで苦労し続ける人たちを「知っている」で解放するために
成熟産業生コンに身を置いていると気づかない。
情報発信がいかに大変かがわからない。
70年産業生コンを販売するのにもはや説明はいらない。
メリットやデメリットを紹介する必要もない。
そもそもニーズがあってわざわざ発信する必要もない。
組合や既存流通が勝手に売ってくれる。
ただひたすら練っていればいいだけ。
そして、少しずつ停滞していく。
いつしか情報発信という言語を失ってしまった生コン産業。
「知られていないのは存在していないのと同じこと」
16年ポーラスコンクリート(ドライテック)の情報発信に携わっていて、知られていないことがどれだけマイナスであるかをよくよく理解した。
そして、知ってもらえるだけで解放される多くの人々がいることも。
今回仁科さんは元々のお取引先様で、もともとドライテックのことをご存知だった。
そして、そんなケースはまれ。
今も多くの人々がポーラスコンクリートを知らないだけで、苦しんでいる。
苦しんでいることにすら気づいていない。
情報発信をより強化する。
「知らない」を「知っている」に変える。
そのことで草むしりや水はけに苦しんでいる(ことにも気づいていない)人々を助けることができる。
1日がかりの土間コンクリートに苦しんでいる(ことにすら気づいていない)施工者を解放することができる。
ただ、単に、知ってもらう。
そのためには一攫千金の売名行為ではダメ。
知られる価値のある会社やプロダクトになることが大切。
外部に訴えかけるのではなく、内部、自分たち自身に訴えかけ、より知られる価値のある組織やプロダクトに磨き込んでいく必要がある。
情報発信てのはとても面白いテーマだとつくづく思う。
宮本充也