2021/05/06
「ドライテックに錆のようなものが浮いてくる現象について」

添付写真のように、ドライテックに錆のようなものが浮いてくる現象について、お客様よりご指摘がありました。 どのようにして発生するのか、また、補修方法がありましたら教えていただきたいです。また、トップコートで塗布する際の、薬剤の成分(種類)を教えていただけますでしょうか。(シリコン・油性・水性など...)
ドライテック(土間コン)の錆について
添付写真のように、ドライテックに錆のようなものが浮いてくる現象について、お客様よりご指摘がありました。 どのようにして発生するのか、また、補修方法がありましたら教えていただきたいです。また、トップコートで塗布する際の、薬剤の成分(種類)を教えていただけますでしょうか。(シリコン・油性・水性など...)
結論「土間コンからはサビは出るもんだし機能上の問題は全くない!」
生コンポータルのYouTube公式アカウントでは「土間コンのクレームあるある7選」として昨日「土間コンの錆」が収録され今月中にリリースを予定している。
その錆の原因は、骨材中に含まれる黄鉄鉱など鉄分、ということがわかっている。
骨材中の鉄分が土間コンの表層に露出し水分に接触して錆びたもの
「え?鉄筋とか錆びちゃったの?機能的に大丈夫??」
コンクリートのことを詳しくご存知ない一般の方々のご懸念は尤もなところだ。
でも、安心して欲しい。
車が乗り入れする、歩行する、といった目的に応えるための機能という意味では土間コンの錆は全く問題ない。
そもそも、エクステリアの駐車場は鉄筋コンクリートとしての応力負担を期待されていない。
ワイヤーメッシュは単なるひび割れ抑制効果であって、構造体ではない。
だから、仮に錆がワイヤーメッシュ由来のものであったとしても、供用には何の支障もない。
ちょっと専門的な話になるが、まあ、要は、問題ないからそんなにめくじらを立てなくても大丈夫ですよ、ということがいいたい。
その錆の正体は骨材(コンクリートの原料である砂とか砂利)に多かれ少なかれ含有されている鉄分(黄鉄鉱)が水に触れて錆びたもの。
特に、コンクリート舗装に関して言えばアスファルトと違って白いため特に目立つというのが問題となりやすい理由。
(出典:アスファルトの錆)
ほら、ね。
黒くて目立たないだけでアスファルトからもちゃんと(?)出ている。
機能上問題ないことはわかった。でも、見た目何とかならないの?
いつも主張してやまないことではあるが、「土間コンなんざ所詮数年経てば汚れるから気にならなくなりますよ」とお答えしたいところだが、それでも錆に敏感に反応する向きもないではない。
そんな方々にお勧めしているのが、サンポールだ。
⚫︎参考記事: コンクリートの汚れに効きます!「サンポール」
酸でコンクリート(塩基性)の表面を薄く削り取ってしまうことで表面の錆や汚れは消えてしまう。
洗浄した後には清水できちんと洗い流し中和化させないと表面が劣化してしまうのでご注意ください。
さらに、ドライテックなら、トップコートもお勧めだ。
【透水宣言】DIY 透水性コンクリート'ドライテック'に色をつける!トップコート【DIYマニュアル】
土間コンではあまり選択肢としては挙がらない表面塗装を施すことで錆もろとも塗膜してしまう。
数年たち、ちょっと古びてきたあたりにリニューアル、なんて時にもおすすめの工法となっている。
というわけで、今回も施工者から寄せられたよくある質問。
土間コンクリートのサビ。
発生原因と、その対策、について解説した。
「鉄分(黄鉄鉱)の含まれていない骨材を用いた生コンを選択することはできないの?」
さらに、完璧を求める方もいらっしゃるだろう。
あいにく、残念だが、今のところ、それは難しい。
理屈としては、「エイジング」と言って、生コンに用いる前に骨材を野ざらしにしておいて、サビを出し切っておく、という方法があるが、そんなことに応じてくれるような生コン製造者は現実的ではない。
「出るも八卦、出ないも八卦」
機能上問題ないのだからきらめていただくよりほかない。
また、施工者各位に置かれてはあらかじめこの手の現象はひび割れ、色むら同様懸念されるということを説明しておいた方が無難だ。
コンクリートのことをもっと身近に感じてもらえるようになりさえすれば、一般のお施主さんの理解も浸透し、きっと建設現場はもっともっと開放的で暖かな場所になるはず。
生コンポータルでは「生コンをもっと身近に」をモットーに引き続きコンクリート関連の情報発信に邁進してまいります。
宮本充也