2021/05/20
【静岡】「《自らの意志で》そのコンクリートを製造し、取引先顧客に届けている」伊豆下田生コン

静岡県下田市。伊豆下田生コン製造指導並びに施工見学会。自社の構内にて、見学会を開催。プラント職員の自宅にても、試験施工を実施。河津建設など地元業者が数社(約15名)訪れ、見学と施工体験をした。 (二見メンバー共有)
製造・施工:伊豆下田生コン(担当:平田工場長)
主役は生コン屋さん
静岡県下田市の伊豆下田生コン。
平田さんは僕も個人的にずいぶん前から親しくさせてもらっている。
今回は「最近よく問い合わせが寄せられる」ということでドライテックの製造練習を兼ねた地元取引先施工者向けの見学会を開催した。
彼ら自身の主体的なアクションだ。
生コンポータルからは南伊豆(隣町)在住の二見メンバーが施工指導員(または応援要員)として駆けつけた。
細かな注意点などを伝えながら施工見学用のドライテックを製造する。
現場簡易ダレ試験の指南。
プレートで締め固めた材料を再現したもので、水を通すための空隙がきちんと確保されていること。
適度に湿っておりツヤがあり、排出した後も容器にまばらにペーストが付着していること(乾燥しすぎていないこと)などを確認する。
河津建設の制服の姿が見られるように地元取引先施工者数社(15名)が話題の透水性コンクリートとはなんたるかについて見学に参加された。
施工After。
まず1箇所目は事務所玄関前という最も目立つ場所にサンプル展示を兼ねたドライテック完成。
次いで2箇所目施工Before。
職員のご自宅をも見学会の会場として提供された。
すでにサンプル展示で施工を経験されているため手慣れたものだ。
2箇所目施工After。
生コン工場の職員の皆さん(プロの施工者ではない)総出で2箇所のドライテック製造・施工を体験された。
もう、これで、経験者として、ドライテックについて施工者(販売先)にあれこれ提案ができるようになった。
以下は、現場に立ち会った二見メンバーのヒアリング。
プラント職員の声
「すっごい楽しかったです」
「前にやったあれ(類似製品)より簡単でいいね、これは」
「地元業者にも、もっとこれ(事務所前のサンプル)を見てもらって、営業しておきます」
指示されて製造するというのではなく、自ら主体的に作り出す、がドライテックの特徴。
ドライテックの主役は生コン屋さんです
プラント職員の声をご覧になって気づかないだろうか。
普段、生コン工場は、元請けの指示により特定の配合を練らされることに慣れている。
言葉は適切ではないかもしれないが、有り体に言えば「練り屋」「下請け」「使いっ走り」。
どう考えても、クリエイティブな仕事、とは言えない。
(反論があるかもしれないが、僕は自分の認識を書いている)
他の透水性コンクリートのことをあれこれ書きたくはないが僕がこの事業を始めた当初に蟠っていたこと。
「まるで主体性がない」
透水性コンクリートは生コン製造者のものではなく、道路会社だったり、どこかの企業が保有している技術であって、「責任施工」というスタイルでその企業が発注者に対して請け負うのが一般的。
したがって、透水性コンクリートに関して製造者である生コン工場は主従の従。
ここでも、自ら市場を作り出すのではなく、後追い。
計画があって初めて必要とされる。
どこかの企業が作り出した市場に従順に、下請け、使いっ走りとして「練り屋に徹する」。
到底クリエイティブな仕事とは言えなかった。
それが、ドライテックに関してはどうだろう。
全国各地の生コン工場が主体的にそれぞれの地域(市場)で製造・販売を手掛けているのは、全国各地一部の生コン工場のホームページで積極的にPRされているのを見ればわかるとおり。
「誰かに指示されて」
製造しているのではなく、「自らの意志で」そのコンクリートを製造し、取引先顧客に届けている。
今回の伊豆下田生コンからの見学会の申し出もこちらから依頼したのではなく、彼ら主体的なアクションだった。
自分たちで自分たちの市場に自分たちのプロダクトを発信したい。
その主体性がきっかけだった。
物事全て言えると思うが、自分の内側から「やりたい」と湧き上がってきた動機付けは強い。
どんなに納得したとしても他人から指示されての行動はパフォーマンスに限界がある。
自分自身が「やるべき」「やらずにはいられない」と自分自身を動機付けて始まった行動には最後まで責任を持つようになる。
自分が決めたことだからだ。
他人に責任を被せるわけにはいかない。
仕事ってのはそうであるべきと思う。
これまでは外部(他人)から指示されたものを恭順に製造するのが生コン工場のあり方だったかもしれない。
でも、ドライテックをはじめ少しずつだが主体的な生コン工場が主体的に自ら自分自身の価値を市場と顧客に発信するケースが増えている。
インターネットと企業間連携の賜物だ。
こんな共感の輪が日増しに広がっている。
主体性の輪と言い換えることができるかもしれない。
主体性。
つまり、自分の運命は自分でコントロールする。
そんなものづくりが増えれば、それだけ世界の景色も美しくなるというものだ。
引き続きそんな辺境で起こっている素敵な細胞分裂を生コンポータルでは発信し続けていきたい。
宮本充也