2021/05/26
【神奈川】「アスファルトは雰囲気悪いし二次製品は時間と費用がかかってしまう」小島商店・エクステリアサービス

神奈川県相模原市。アパートの通路で水勾配はとれている(水はけの問題はない)が、住民が出入りしているので直ぐに歩ける材料を探していた。アスファルトは雰囲気悪いし二次製品(インターロッキングや平板)は時間と費用がかかってしまう。以前から使っているドライテックをおすすめしたところ採用。
製造:小島商店(担当:小嶋修)、施工:エクステリアサービス(担当:鈴木賢二、15m2、100mm厚、2名、30分、タイムラプスあり)
施工動画
住民が出入りしているのですぐに歩ける材料
施工Before。
共同住宅外構舗装のリニューアル。
住人の出入りがあるため、当日のうちに開放できる舗装材が求められていた。
共同住宅のアプローチによく採用される二次製品(インターや平板)だと時間や費用、また加工の際の粉塵や騒音の発生が懸念される。
アスファルトについてはお施主さんの印象としてあまり好ましくない。
水勾配をつけることはできるため排水は困らないが、施工エクステリアサービスが以前より使っているドライテックをお勧めしたところ採用に至った。
ドライテックであれば簡単な養生で当日開放ができる。
二次製品と違って短時間で終了。
費用も抑えられ、生コンだから現地での加工は必要ない。
水勾配はつけられるとはいえ、ドライテックならまっ平らにすることもできる。
コンクリートだから長年の供用についても耐久性上バッチリだ。
施工はポーラスアスファルト舗装とは異なり人力施工が可能。
端部に粒径の細かい骨材が配置されると見栄えもする。
写真では現地で材料をふるいわけすることで細かな粒径の骨材が端部に収まるように作業している。
プレートの振動が行き渡りにくい端部は先行してタンパなどで締め固められる。
敷設された材料はレーキなどで平らにならされた後からプレート(30kgタイプ)で締め固め。
施工はそれだけ。
以前からのリピーターでもあるプロ施工者エクステリアサービスにとってはDIYもできる材料は赤子の手をひねるに等しい。
施工After。
15m2の共同住宅アプローチは2名でたった30分で完成してしまった。
また、この後出入りする箇所についてはベニアなど簡単な養生を加えておくだけで通行ができる。
リフォーム舗装に最適な材料とすることができる。
翌日以降は養生も撤去して普通に供用が始まる。
水たまりは永久に起きないし、勾配もない平らなアプローチは、意識されることなくストレスフリーな性能を提供し続けることになるだろう。
アスファルトは雰囲気悪いし、二次製品は費用と時間がかかってしまう
「何故、アスファルトは、雰囲気が悪いのか」
普段からアスファルトに対してネガティブな主張を繰り返す僕ではなく、今回は一般のお施主さんの率直な感想を取り扱っている。
雰囲気が悪い。
この抽象的で捉え所のない印象を要素分解していこう。
なぜ、アスファルトは雰囲気が悪いのか。
⚫︎石油製品であること
まず、プラスチックフリー、カーボンフリーの現代において、ビニル袋やプラスチックストローのように「樹脂製品」であることが挙げられる。
なぜ、プラスチックストローは全面廃止、エコバッグ持参なのに、なぜアスファルトはOKなんですか。
道理が立たない。
石油燃やして(CO2を排出して)製造されるストレートアスファルトを原料とする舗装はロハスな先端を生きるお施主さんの支持を得られないのだろう。
⚫︎耐久性
ポリバケツやビニル袋、輪ゴムなど樹脂製品を外に1年も放置しておいたらどうなるか。
紫外線に晒され劣化し変性し、元の性状は失われてしまう。
わだち、骨材飛散、空隙潰れなどはアスファルト舗装特有の劣化現象だ。
⚫︎黒い
コンクリートが白舗装に対して、アスファルトは黒舗装と呼ばれる。
黒を否定するつもりは毛頭ないがそもそもが意匠性の高い二次製品(インター、平板)を検討していたアプローチ部分。
ただでさえ「安っぽい」舗装がつまらない「黒」(カラスは罰で黒色にされてしまったことを思い出してほしい)にしてしまったら、住環境が台無しだ。
罰ゲームだ。
と、まあ、いつもながらにアスファルトの悪口に終始してしまった。
さて、次は二次製品の悪口に行きたいと思う(関係者の方ごめんなさい汗)。
⚫︎高い
インターロッキングや平板ブロックの相場感を調べて貰えばすぐにわかるように組み合わせたデザインを売りにしている二次製品による舗装は高額になりやすい。
理由は施工の手間がかなりかかること。
ブロック(ピース)をパズルのように敷き詰めていくのだけれど、端部については現地でカットしたり加工が必要となる。
この点は騒音や粉塵などの環境負荷にもつながるが、施工手間という意味ではコストにそのままONされる。
⚫︎時間がかかる
そんなだから、コンクリートやアスファルトのように、ザザざっと敷設して転圧したらおしまい、というわけにはいかない。
時間がかかるのですでに供用されている共同住宅のアプローチ(リフォーム)には向かない。
⚫︎不陸(ふろく)
さらに、ブロック系舗装材の宿命として、「不陸」という現象がある。
長年供用していると写真のようにブロック相互の隙間が大きく開いてきて凹凸が発生する。
ことは玄関前だ。
急いで出勤する日もあるだろう。
眠気まなこで急ぐ。
そこに、段差がある。
つまずき、転倒、骨折、救急車。
そんな未来が僕には見える笑。
朝から悪口を書くのはとても気が引けるのだが、これも透水性コンクリートが正当に評価されるための通過儀礼だ(?)。
冗談はさておき、いずれの商品も顧客に対して「選べる」を提供しなければならないと僕は思っている。
現実、現在のエクステリア舗装は決して「選べる」を提供しているとは思えない。
特に住宅エクステリア駐車場はほぼほぼ「土間コン一択」という嘆かわしい状況。
そこに風穴を開ける。
「生コンをもっと身近に」
そのことで、生コン産業から広く一般に「選べる」を提供する。
先端技術透水性コンクリートが身近に手に入ることを広く知ってもらう。
そのためには、まずは「知ってもらう」が第一歩。
知られていないのは存在していないのと同じこと。
この6年のブログ毎日3本の活動を通してずいぶん改善されたとはいえまだまだである。
小さな声でも、しつこくしつこく叫び続けていれば誰かが気に留めてくれるはずだ。
さあ、今日も頑張ろう。
宮本充也