2021/06/11
【岡山】「《蛇籠》と《ポーラスコンクリート》庭づくり新しい形」白石建設

岡山白石建設に勤める鶴峰さんのご自宅で庭づくりの新しい形が示された。蛇籠、そしてポーラスコンクリート。いずれも、表面積の大きな平面と立面を組み合わせることで、見た目の多様性と環境温度の抑制という機能性を併せ持つ特徴的な庭空間が実現。
製造:白石建設
蛇籠、ドライテック
鶴峰邸外構工事全景。
アプローチは一見ドライテックに見えるが、洗い出しコンクリート。
駐車場部分全面はドライテックにアイストップがわりに、あるいは擁壁として、蛇籠が配置されている。
もともとこの敷地は排水計画に難があり、隣地からの雨水の流入があった。
また、接道部から建物に向かって勾配(逆勾配)となっており、建物周囲の排水が課題となっていた。
大半をドライテックとすることで排水問題を解消し、さらに擁壁をブロックやコンクリートで施工するのではなく、蛇籠とした。
蛇籠。
蛇籠/蛇篭(じゃかご)とは、竹材や鉄線で編んだ長い籠に砕石を詰め込んだもので、河川の護岸や斜面の補強などに使用されてきた。 石籠(せきろう)、じゃこ ともいう。 英語では "gabion" がこれに近く、現代のものに限ればほぼ同義語ともいえる(英語のほうが広義)。(Wikipedia)
もともと蛇籠とは意匠性ではなく機能性(山脚固定など補強)を期待されたものだが、このところ意匠性・見た目を重用する設計が増えている。
「蛇籠、東京・表参道の裏通りにある、カッケー事務所の外壁として採用されてます。個人的にとても好きです。」
こちらのコメントはRRCS事務局として活躍中の藤井さんからグループで共有されたもの。
カッケー事務所の外壁として採用、だそうだ。
つまり、蛇籠は、クールで都会的なのだ。
何が、おしゃれ。
何が、可愛い。
この概念は時代とともに変遷する。
蛇籠は誰がなんといっても都会的でおしゃれでクールだ。
そして、思い出す。
「ドライテックって見た目がゴツゴツしててなんかいや」
営業を始めた当時、まだ目の開かない気の毒な一般人がドライテックの見た目をこのように称した。
ゴツゴツしててなんかいや。
センスがないと言わざるを得ない。
今やドライテックはクールで都会的な設計事務所御用達でなおかつ2020年グッドデザイン賞金賞を受賞した意匠材料なのだ。
当時、僕のような駆け出しの営業だと思ってちょっと上から目線でご高説を宣っていたすべての人々よ。
許す。
人には間違いもあるものだ。
この僕は寛大だから、チミ達のことを許そう。
ドライテックはおしゃれなのである。
そんな、両者「蛇籠」「ポーラスコンクリート」を組み合わせたこの庭を見て皆さんはどのように感じただろう。
もう、おしゃれすぎ。
おしゃれの玉手箱。
そのように思ったのは僕だけではあるまい。
さらに、機能性。
蛇籠もポーラスコンクリートも、通常の擁壁や土間に比べて膨大な表面積を有している。
うち水でもしようものなら夏場急激に環境温度は下がり涼しげな微風がそよぐだろう。
なんて素敵な住空間。
これに緑でも配置したらもう、なんですか、高級リゾート&スパですか、みたいな空間になっちゃうことだろう。
ああ、なんておしゃれなのだろう。
鶴峰さんが羨ましい。
眩しい。
毎日高級リゾート&スパから出勤するのだ。
これ以上の贅沢ってあるだろうか。
というわけで、駆け抜けたが、庭づくりもやりようによってはあれこれ工夫ができる最強の事例だと思う。
蛇籠、普通に擁壁作るより断然楽です。
その辺の岩とかかっぱらってきて笑、カゴの中に爪つめするだけなのだ。
DIYだってできるじゃん。
さらに、ドライテックももとよりDIYに向いていることは何度も紹介してきた。
そもそも、「女性だけで施工できる!」は、なんと白石建設の女性事務職員らによる施工だ。
白石建設に日頃より大変お世話になっておりまして、誠にありがとうございます。
この場をお借りして御礼申し上げます。
蛇籠とポーラスコンクリート。
人類の知恵は無限だ。
本当に素晴らしい。
庭づくり新しい形。
ここ、岡山で素晴らしい提案が示された。
皆さんも、参考にすると良いでしょう。
宮本充也