2021/07/08
【鹿児島】「少しダレぎみだが、プレートをかけるタイミングを少し遅らせて調整」木田組生コン鹿児島工場・おおく建設

鹿児島県姶良市。民家カーポート駐車場舗装。ネコ(一輪車)取りでの施工で、ドライテック状態は少しダレぎみだが、プレートをかけるタイミングを少し遅らせて調整。仕上がりは良好。業者の方は、施工後ドライテックについて好印象を持っていました。(橋本さん共有)。
製造:木田組生コン鹿児島工場(担当:橋本国年)、施工:おおく建設(32m2/4m3、100mm厚、4名、1時間15分)
プレートをかけるタイミングを少し遅らせて
木田組生コン橋本さんからの毎度の現場共有。
「ドライテック状態は少しダレぎみ」
簡易ダレ試験の写真からもわかるように、容器がペーストでべったりと透けて見えない状態。
これ、このままプレートで締め固めてしまうと、水を通す空隙までをもべったりと潰してしまう。
そうなると、透水性コンクリートにならない。
プレートをかけるタイミングを調整(普段よりも時間を長く取る)することで空隙潰れを回避。
これぞ、現場経験豊富な橋本さんが現場に立ち会う理由だ。
転圧のタイミングの目安として、「タンパで締め固めても空隙が潰れない」状態以降。
「骨材表面に水分を含んでいる証であるツヤが見られる」うちに。
「手のひらで触ってみて、まだペーストが手に付着する」状態のうちでなければ遅い。
それ以降乾いてしまった状態で転圧してもドライアウトと言って水和反応が十全に起きず骨材剥離など不具合が発生してしまう。
このタイミングこそ、ドライテック施工にあって最も大切なポイント。
ここをお伝えするために施工指導員がお伺いすると言っても過言ではない。
きちんと空隙が確保された状態で仕上がっているのが写真からもわかる。
木田組生コンの橋本さんから共有してもらったドライテック施工現場。材料が少しダレ気味で出荷したとしても、現地で調整が可能なのも強みの一つ
現場が順調に進んでいるのを見届けてから現場指導員橋本国年は踵を返し次の現場へ向かった。
かっこいいっ。(甘露寺蜜璃風に)
そんな感じで、梅雨の降り頻る雨にも負けずドライテック製造・施工は全国各地で逞しく広がっています。
それを支えているのは、現場に携わる製造者・施工者の方々。
本当に面白いもので長年にわたり多くの人々の手に触れられているとプロダクトはあたかも生き物のようにひとりでに進化しているかのような成長を見せる。
実際は、多くの人たちが関わることによって、それぞれの現場で少しずつプロダクトに関する知識が蓄積されていってそれが成長したプロダクトとして統合されているだけなのだけど。
そう言った意味では、僕というちっぽけな存在も現場に足を運んだり、手元を手伝ったり、あるいはその様子をブログに起こして発信したり。
1日1日の積み重ねは瑣末に見えることでも、それらが同時多発で多くの人たちによって行われると、1日1日の蓄積も膨大になっていく。
その人数は現在製造616工場、施工2000者に至ろうとしている。
「プレートをかけるタイミングを少し遅らせて」
現場での何気ない工夫もその場所で埋もれさせず、誰がみてるとも知れないブログにきちんと残して発信する。
地味でちっぽけだけど、それでもそれ以外に世界を前進させる方法を僕は知らない。
閉鎖的で流動性の低い建設産業にあってイノベーションを起こすには相当のエネルギーが必要だ。
最初から分かりきっていること。
いい話には目もくれず信じる道を邁進するのみ。
宮本充也