2021/07/08
【京都】「豪雨にもかかわらず全く水たまりのない地面を見た時の感動」吉岡商店

「昨日のドライテック(今後紹介予定)。現在激しい雨降りで手前左の水溜まり状態ですがドライテックは豪雨が嘘の様に透水してます」。京丹後市のドライテッカー広光こと吉岡広光さんからお馴染みLINEの共有があった。今年の梅雨はよく雨が降りますね。地元熱海ではとんでもな規模の災害が起きてしまいました。
身近な感動と水災害対策
京丹後のドライテッカー広光氏から届いた前日完成のドライテック(今後施工実績紹介予定)。
興奮の理由がわかる。
手前土間コンの表面が雨に濡れて照っているのに比べ、奥のドライテックはまるで「雨が降っていないかのよう」に見える。
これだけでも、「すげえ」って感じだ。
水たまりが一切発生していないのだ。
それにしても、よく降る。
今日も静岡県伊豆地方は雨模様だ。
午前中は東海道新幹線が雨のため停止していたと聞く。
降ってる地域と、降っていない地域が、断続的にそれほど広くない範囲で点在する。
まさに、ゲリラ豪雨。
報道にもあったように、熱海市伊豆山では土砂災害が発生し多くの人命が失われた。
また、沼津市黄瀬川にかかる橋も崩壊寸前で多くの避難生活者を産んだ。
「あれ?こんなに水害って身近だったっけ」
僕だけではないはずだ。
一昨年は台風19号。
狩野川台風の再来と言われたその大雨は狩野川放水路(狩野川を駿河湾にバイパス)の水位過去最高記録を塗り替えた。
もしも狩野川放水路がなかったら確実に数万名の人名は脅かされていたことだろう。
窓外を見やると今も強い雨が木々を叩いている。
温度上昇に伴い、年々この水害の度合いは深刻さを増していく見通しだ。
まだまだこんなもんじゃないのだろう。
手前左側の水たまりを見れば一目瞭然、豪雨だ。
地表に浸透しきれない水は停滞することなく低いところへ向かって流れる。
排水設備は限界を迎え決壊、氾濫を起こす。
インフラが役割を果たせなくなる。
ドライテックなどポーラスコンクリート(透水性コンクリート)にはその流水のバッファとしての役割を期待することができる。
雨水の一時貯留。
あるいは、流水の速度を軽減する。
コンクリート舗装がスポンジのように水を吸い込む(地盤より下が水を浸透しなくとも)ことによりゆっくりとゆっくりと水は低い方へ移動する。
それだけ氾濫を起こすまでの時間を稼ぐことができる。
あまり知られていないが、このように考えることもできるのだ。
夏の暑い日に都市を歩いていると異常なほどにアスファルトで蓋されている大地。
本来、その大地は蓋されず雨水は多少なりとも浸透していた。
今や完全に地面は蓋されてしまっている。
アスファルトで被覆された大地ではヒートアイランド現象が発生する。
局地的に発生した積乱雲からもたらされる豪雨、大量の水は行き場所を失って低い方へ集中する。
そのスピードは津波を彷彿とさせる。
(僕は熱海伊豆山の土砂崩れの様子を見て3.11の津波を思い返していた)
自然の前で人々は無力だ。
抗おうとするのではなく、調和する姿勢。
防災から減災へ。
インフラからソフトウェア対応へ。
その大きな流れの1つに、現在の舗装の当たり前を見直す、ということが挙げられるのだと思う。
今も産業(建築、土木、道路、コンクリート)は変わらず大地に蓋し続けている。
辺境にいる僕たち市民にはそれが明らかにおかしいことであることがわかっているのに。
産業の暴走は今も変わらず大地に蓋し続けているのだ。
原点は、「京丹後市にお住まいの生コン工場にお勤めの一般人である吉岡さんが豪雨にもかかわらず全く水たまりのない地面を見た時の感動」、ここにあるのだと思う。
すごいテック、「地球に蓋しないコンクリート」。
これが、世界の常識になれば、一体何が起きるのだろう。
現代を生きる僕たち産業人はこの問いから逃げてはならないのだと思う。
行動に移すのは他の誰でもない、あなたや僕だ。
宮本充也