2021/07/10
【兵庫】「裏の通路。水勾配が取れず排水もない。無理やり施工を注文」前川建材・藤林左官

兵庫県丹波市。新設されるガレージに通じる裏の通路。水勾配が取れず排水もないので施主より藤林左官に無理やり「施工やって下さい」と注文。滑りにくいという機能も採用の理由。施主は花を作る仕事をされておりバックホウの運転ができるため、御自身で掘削路盤まではやられた。
製造:前川建材(担当:奥井幸人)、施工:藤林左官(担当:藤林正人、27m2、100mm厚、4名、1時間30分、タイムラプスあり)
無理やり「施工やってください」と注文
施工Before。
新設されるガレージに通じる裏の通路。
水勾配が取れず排水もないので施主より藤林左官に無理やり「施工やって下さい」と注文。
滑りにくいという機能も採用の理由。
施主は花を作る仕事をされておりバックホウの運転ができるため、掘削路盤まではDIYという気合の入りよう。
ご当地は、「アスファルトなら〜〜店」「左官屋さんなら〜〜さん」と棲み分けがはっきりしている。
当初アスファルト、またはインターロッキングを検討していた。
インターネットをあれこれ調べていて「ドライテックがいい」ということになって、「誰に頼んだらいいかわからなかった」ため、無理やり藤林さんに注文したという笑。
製造はご当地藤川建材さん。
生コンポータルの豊富な施工実績をみて好感を持ってくださり二つ返事で協力を申し出てくれた。
今では日本全国、どんな地域でも、このように製造・施工の両輪がドライテックを現場に納品している。
それでは、施工の始まり。
普段左官をなさっている藤林さんの仕事は丁寧だ。
特に端部については締め固めが効きにくい(プレートコンパクタの振動が伝わりにくい)ため、手作業で慎重に納めていく。
普段プレートコンパクタ(30kgタイプ)の操作に慣れていないため、凹凸(プレートマーク、不陸)防止のためにベニア(4mm厚)を敷設しながらの締め固め。
施工After。
27m2、100mm厚、4名、1時間30分で完成。
さすがは左官屋さんのお仕事。
初めてとは思えない見事な平坦性が確保された滑りにくく、勾配もない、排水にも困らない舗装が完成した。
ご当地ドライテック
今回もつくづく感じ入ったことだが、「ドライテック」とか「透水性コンクリート」とか呼び方は1つでも、生コンクリートはそれぞれの地域で全く独特な流通をしている。
製造する工場、施工する会社が都度異なるのだ。
いわゆる全国区で流通しているプロダクトの一極集中型の流通ではない。
地産品。
生コンクリートにはおよそJISという規格があるものの、中身は地域によってまるで異なる。
得られる骨材、セメントがそれぞれの地区事情に大きく影響を受けるからだ。
海の砂を使っている地域もあれば、河川、あるいは山から採取された原石を砕いて砕石にしていたり。
また、今回のご当地兵庫県丹波市のこのエリアでは、施工は概ね棲み分けができていて、いわゆる昔ながらのコミュニティが形成されている。
人の繋がりが都会に比べて緊密だ。
逆に、だからこそ、施主の希望は通りやすい、といえるのかもしれない。
コミュニティが失われ、施主も、施工も、全て「初めまして」の流動性の極めて高い場所では逆に、「やったことないからできません」みたいな施主の希望無視が罷り通るのかもしれない。
地方であればあるほど、人の繋がりが良くも悪くも緊密だから、施主が希望している、ということは簡単には無視できない、とも言い換えることができる。
そんなわけで、ドライテックは現在全国製造600、施工2000の供給インフラに成長した。
水道・電気・生コンクリート、そしてドライテック。
蛇口をひねれば、ドライテック。
そんな感じになるのもあと少しだ。
一部地域を除かないドライテック。
「数十kmも離れた訳のわからない地方から届く」のではない、ご当地で製造されご当地の施工業社に施工されるドライテック。
究極の地産地消プロダクトになりつつある。
宮本充也