2021/08/11
「大阪版ドライテック構想」大阪兵庫生コンクリート工業組合

日本最大の生コン工業組合として知られる大阪兵庫生コンクリート工業組合では現在リサイクルWG、舗装WG、2つのワーキンググループが組織され、2025万博に向けて活発な準備が進められている。RRCSのご縁で三菱商事、そして生コンポータルが招かれ、大阪版ドライテック構想が議論された。
なぜ、今、ポラコン・残コンなのか?
大阪兵庫生コンクリート工業組合の技術委員会主催で開かれた会合はリモート・リアル交々。
三菱商事山岸さんからは同社で取り組んでいるカーボンキュア(CCU技術)のプレゼン。
左・淺沼組山﨑さんはRRCSでも協働され、ゼネコンという立場から近畿エリアの生コン組合の技術アドバイザーとして参画されている。
大阪兵庫が創造する世界140億m3の生コン市場
船尾さんからは、16年間ポーラスコンクリートの普及に携わっている僕を尊重して「大阪版ドライテック」というタイトルのお時間を頂戴した。
とてもありがたいことだが、逆に恐縮してしまうので僕からタイトルを、「なぜ、今、ポーラスコンクリート七日。なぜ、今、残コンなのか」に勝手に変えさせてもらった笑。
冒頭に申し上げた。
僕はドライテック(つまり、F材)を大阪兵庫で公式に採用してもらいたいから伺っているわけじゃない。
売り込みに来たわけでは断じてない。
ポーラスコンクリートは決して難しい技術ではない。
生コン技術者であれば混和材をあれこれ吟味するだけであっという間にポラコンは配合設計できる。
僕の真意はとにかくパーミアコンであれ、ドライテックであれ、その他どんなメーカー・道路会社のポラコンであれ、とにかく市場が広がることを求めている。
詭弁、綺麗事と聞かれるかもしれないが、僕の辞書には競合という言葉はない。
世界が求めるプロダクト・ポーラスコンクリート(地球に蓋しない舗装)が広がるためには、少数のサプライヤーでは足りない。
1社でも多くの生コン工場、1つでも多くのブランド・プロダクトが増えれば、街(市場)は勝手に賑やかになる。
この僕がドライテックにこだわりすぎるのはいいことではないとすら思っている。
パクリでも、なんでも、とにかくポーラスコンクリートに参入しようとする個人や企業が増えることが結果として街を賑わせ、人口が増え、経済が豊かに実る。
その経済循環を透水性コンクリートにももたらしたい。
それは結果としてドライテックに携わる生コンポータルにとっても実りあることだからだ。
小さなパイを奪い合うのではなく、パイそのものをみんなと大きくする。
「(近畿地区は)最も苦しんだ地域の1つです」
冗談めかしてこう申し上げた。
練ってくれる工場を見つけるのに非常に苦しんだのだ。
なぜかわからないが、ポーラスコンクリートに対するネガティブなイメージが蔓延っていた。
「ポーラスコンクリート練っていただけますか?」
「むり」
二つ返事の地域、それが近畿エリアだった笑。
そんな近畿エリアの最大生コン工業組合が今組織的にポラコンに取り組もうとしているのだ。
以前からすれば夢みたいでほっぺたつねるような話だ。
(一応現実だった)
どことは言わないが、予算消化で成果にコミットしない舗装普及推進会議に数年前参画したことがある。
偉そうに技術者が講釈を垂れているが、ポラコン売ったことある人は僕だけだった。
規格がどうの、安全性がどうの、あれこれ仰ってはおられたが、僕からすれば「売ってから言え」って感じだった。
結果その会議は予算消化でこれといって世界の景色を変えることなく解散となった。
嘆かわしい話だ。
体制側がそうならば、日本最大の工業組合が作っちゃえばいい。
舗装、とりわけポーラスコンクリートの業界標準を。
「95:5の5がコンクリート舗装ってことはつまり、伸び代しかない」
「残コン(リサイクルコンクリート)が認知されていない(0%)ということは、こちらも伸び代、無限の可能性しかない」
これが、僕からの提案だ。
「僕の見立てでは我が国だけでも年間2億m3の舗装コンクリートの市場がある。世界人口70億で単純計算すると120億m3の生コン需要。建築でもなく、土木でもなく、誰に頼るでもなく、自ら創出しましょう、舗装コンクリート120億市場。その発信地を大阪兵庫生コンクリート工業組合に!」
大風呂敷?
大法螺?
少なくともこの僕は完全にできると信じきっている。
やる、ってならないと、それは永久に起こらない。
見渡す限り練ってくれない工場ばかりだった大阪兵庫エリアで日本最大の生コン工業組合が組織的にリサイクルとポーラスコンクリートに取り組もうとしているのだ。
しかも大阪万博2025という千載一遇の機会に恵まれている。
10年前のポーラスコンクリートから考えれば、これだって激変、信じられないくらいの出来事と言っていい。
だから、10年、20年後、僕は必ずできるとそう信じきっているのだ。
つべこべやらない理由を言い続ける工場は放っておこう。
いつの時代だっている。
苛立っても仕方ないし、損するばかりだ。
大切なのは、やる、って人を見つけて、その「やる」を育てていくこと。
木村理事長がおっしゃられたように、「宮本君のように信用がない個人笑」とはわけが違う。
日本最大の生コンクリート工業組合がポーラスコンクリートの製造に組織的に取り組むのだ。
⚫︎参考記事: 「損得ではなく善悪で決めろ」木村貴洋(大阪兵庫生コンクリート工業組合理事長)
日本一(の生コン工業組合)が、「やる」を育ててくれる裏付けを得られたのだ。
これ以上の条件てあるだろうか。
失敗するイメージが全く、まるで、湧かない。
95:5の5がコンクリート舗装で、さらにその中の5%に満たないのが、ポーラスコンクリート。
つまり、市場がないってわけだ。
僕はこれをネガティブには捉えない。
市場がないってことは、これから規格なりルールなり市場を僕たちの好きなように作り込むことができるってこと。
可能性としか思えない。
やらない理由がマジでない。
「なぜ、今、ポラコン・残コンなのか?」
その答えは、つまり、そういうことだ。
(CCU、残コン)ポーラスコンクリートに関するガチンコの協業が始まった。
いつだって現実の形に作り上げる役割は理論や理屈じゃない。
ラストワンマイルでモノづくりに携わる僕たち生コン製造者の使命だ。
宮本充也