2017/07/05
「めんどうくさい舗装コンクリート」 道路・舗装コンクリート・生コン

「地方の生コン工場では舗装コンクリートを標準化していないところがほとんどで、施工前に必ず現地を立ち合い設計指導を行うのだが、面倒くさいという気持ちを隠さないばかりか、あまりうるさいことを言うと売りませんよ、くらいのことを言われて手を焼くケースもある」
昨日より2日間にわたって大手道路会社訪問を繰り返している。
当社長岡生コンの技術顧問を受けていただいた渡辺夏也氏。
そのコンクリート舗装業界における人脈は非常に広く深い。
一生をコンクリート舗装に捧げているといっても過言ではない。
すさまじい迫力を肌で感じている。
その訪問活動の中でコンクリート舗装に関する多くの歴史に触れた。
基本大手道路会社にとってコンクリート舗装(RCCP、連続鉄筋コンクリート、透水性コンクリート)は厄介者であり、設計仕様書にそれらが記載されてあった場合、「やべ、ばばひいた」的な心境に陥る
渡辺夏也氏の尽力も奏功し、
国交省をして適材適所・コンクリート舗装を検討すべしと言わしめている昨今。
当の道路会社の姿勢が上記のようであることは実に面白い。
また、
コンクリート舗装できるだけやりたくない
言ってはばからない。
その理由は何だろう?
彼らは傘下にアスファルト合材プラントの関連子会社を有している。
つまり直径子会社が全国に散在しておりいわゆる、
「融通が利く」
アスファルト供給の背景がある。
一方、同じく舗装材料を供給する生コン工場はどうか?
地方に行けば行くほどそのほとんどは、
「専業系」
といって当社長岡生コンもその一つだが、
いわゆる資本に属さない家族経営の中小企業。
尚且つ、協同組合といって経営基盤の脆弱な彼らを守るための措置、
「カルテル」
が法により認められているため、
まあ、ありていに言えば、僕たち生コン業者は、
「融通が利かない」
ということになる。
というより、いうことを聞いてくれない。
こんなことがあるそうだ。
彼らの本音はこうだ。
「地方の生コン工場では舗装コンクリートを標準化していないところがほとんどで、施工前に必ず現地を立ち合い設計指導を行うのだが、面倒くさいという気持ちを隠さないばかりか、あまりうるさいことを言うと売りませんよ、くらいのことを言われて手を焼くケースもある」
現状、コンクリート舗装が全舗装に占める割合は、
5%
比較の対象としてお隣韓国の場合は、
50%
これが何を意味しているか分かるだろうか。
日本の生コン工場がだらしない
猛省すべきなのではないだろうか。
需要低迷が進んで久しい。
「新規需要開拓を!」
などとは聞こえがいいが、
実態の一部を示す上記のような話も事実ある。
面倒くさいといっていられる状況なのだろうか?
この期に及んで楽して儲けたいのか?
アスファルト合材プラントに比べて、
融通の利かない僕たち生コン工場と、
大手道路会社との関係性はこうしてますます冷え込む。
コンクリート舗装だけじゃないけれど、
僕たち生コン工場は何事にも、
「面倒くさいのはやりたくありません」
という姿勢を概して貫いてきた。
その結果自分たちの領域(円)はしぼんでいく。
生コンがプレキャストコンクリートに設計変更
それもまた一つの兆候だろう。
生コン需要拡大におけるコンクリート舗装の効果性は間違いない。
1 Day Pave
のようなものも最近は注目されている。
チャンスは確実にある。
もう、やめよう。
「曲げ型枠(コンクリート舗装の試験体)は重いからやだ」
「面倒くさい舗装コンクリートよりもピッチが早くて単調な建築の生コンが欲しい」
生コン協組では「割り決」といってエリア内の生コン需要を、
組合員工場にシェアに応じて均等に割り付ける。
勢い、組合員工場は、「舗装コンクリート要りません」みたいなわがままが横行する。
そんなの、もうやめよう。
まあ、ただ、それが現実なのかもしれない。
けれど、昔から言うではないか。
人が見向きもしないような作業にこそチャンスが眠っている。
僕たち経営資源に乏しい中小企業が選ぶべき市場領域は、
「めんどうくさい」
の中にあるはずだ。
そして、必要とされる存在になってこそ、生コン業の再生は果たされる。
本日も、道路会社訪問2日目とつながる。