2017/12/03
「これじゃ全く意味ないじゃん」 駐車場・車寄せ・集水桝・水たまり・水勾配

とある駅の車寄せ。
舗装はアスファルト舗装になっていて、
雨模様。
雨の日に気にするのは車の乗り降りの時の水たまり。
特に出発するときなんか扉を開けてそこが水たまりだったら、
いちいち車を移動させなければならない。
万が一水たまりに足を突っ込んだらアウト。
時間がなければそのまま電車に乗り込み目的地に向かわなければならない。
一日ブルーだ。
写真はそんな水たまりを防止するために設置されている、
集水桝
と呼ばれるコンクリート構造物の周りの写真。
「これじゃ全く意味ないじゃん」
こんな突っ込みをついつい入れてしまう。
少し専門的な話しになっちゃうけれど、
集水桝の周りには、
「水勾配」
といってスロープが設置されることになる。
そのスロープが水を集水桝に導き、
水は適正に処理されることになる、
はずなんだけど、
実際はそうはいかない場合が多い。
それはアスファルトの性質に起因する。
アスファルトの性質
アスファルトのいいところでもあり悪いところでもある、
靭性
という性質。
コンクリートに比べてアスファルトは荷重や応力に対して、
ぐにゃり
と変形することが知られている。
脆性
とあらわされるようにコンクリートは変形や応力に対して、
「もうだめ」
となった場合ぐにゃりではなく「ぱりん」と割れる性質を持つ。
この人生。
轍(わだち)などの現象を引き起こすことが知られている。
集水桝の周りの轍
どうしても降車する場所は水たまりを避ける。
するとついつい集水桝の周りとかになっちゃう。
わだちができる
せっかくの水勾配にわだちができて、
そこに水がたまるようになる。
集水桝のまわりに水たまりができる。
足がはまる。
1日ブルーになる。
※映像は熊本の緒方生コンさんで撮影されたもの(見学会の様子)
コンクリートは轍がおきない
だから、駐車場などの舗装には向いている。
集水桝の周りがくぼんだりしない。
ましてやこのところ普及著しい透水性コンクリートならば。
そもそも集水桝なんかもいらない。
水勾配だっていらない。
どこだって水を吸い込んじゃうからだ。
脆性
を説明したけれど想定以上の荷重がかかると、
「ぱりん」
問われてしまうことが知られている→ひび割れ
だから、割れないように厚みをとる(100㎜とか150㎜とか)
適材適所だからどっちがいいという問題ではない。
アスファルトにはアスファルトのいいところ。
コンクリートにはコンクリートのいいところ。
いずれもある。
当サイトは「生コン」だから、
押され気味のコンクリートの肩をどうしても持ってしまう(笑)
事実95%が舗装はアスファルトというのが我が国の現実なのだ。
(※ちなみにお隣韓国は50:50と肉迫している)
「これじゃ全く意味ないじゃん」
もし駐車場を検討している方がいるならば。
そんな気持ちにならないように。
透水性コンクリートも検討の一つに加えてもらいたいと思う。