2018/06/20
「土間コン最期のテーマ『凍上』|透水性コンクリート」

北国(特に北海道地区)のエクステリア関係者を悩ませる「凍上」という現象。土間コンなど舗装下の地盤に含まれる水分が凍結膨張を起こしてせり上がってくる現象。繰り返される凍上と車の乗り入れで土間コンは破壊される。土間コン最期のテーマとも言える「凍上」、透水性コンクリートはどうなの?
土間コン最期のテーマ「凍上」
主要6都市で「生コンでいいこと」をテーマにセミナーを開いている。
1番勉強になるのは誰って実は僕たち自身。
少なくても月に8回、多い時では10回程度。
全国のどこかの土地で生コン需要家の皆さんと交流する。
もちろん、僕たちが10年以上かけて蓄積して来た知識をご紹介。
それはそれで来場者の方々にご満足を提供している自負はある。
ただ、それ以上に、
「その土地にしかない生コンの困った」
にじかに触れることのできるのは僕たちにとっても無上のよろこび。
札幌でも合計3回セミナーを開催した。
都度来場者からコメントされる、
「凍上」
(冬期地盤に含まれる水分が凍結膨張をすることで地盤ごとせり上がってくる現象)
生コンポータルが位置する伊豆地方は温暖な地域。
正直雪国の環境を経験したことのない僕たちは、
凍上
という言葉やその意味を知ってはいるけれど、
どれだけ過酷な現象かは身にしみて実感したことがない。
札幌セミナーに来場される全ての方は、
「凍上」
というキーワードとその実感を伴った苦労を表情に滲ませる。
この、凍上が原因で、土間コンは忌避されるケースが多いという。
凍上対策(1mほど地盤改良を施す)を行なっても、
「出るときには出る」
凍上という現象はお施主さんと業者さんの間をギクシャクさせる、
色むらやひび割れと並んで北海道地区では問題になりやすいそうだ。
※Google画像検索「凍上」の結果
じゃあ、透水性コンクリートはどうなの?
新世代の土間コンを標榜する透水性コンクリート。
それではもちろん「凍上」にも効果的なんだよね?
厳しい質問にさらされる。
凍上はすでに説明したように舗装ではなくて、
地盤(路盤)
で発生する問題。
だから、舗装が土間コンでもアスファルトでもインターロッキングでも、
舗装の種類を問わず発生するもの。
だから、透水性コンクリートだから安心です、なんてことは口が裂けても言えないもの。
透水性コンクリートでも同じく、
「出るときはでるし、出ないときはでない」
これってまるで色むらみたい。
旧来の土間コンと並んだみたいでちと悔しい。
それでも果敢に挑戦してくださる人たちもいる
それでは北海道など凍上が発生する地域では永遠に普及しないのか?
北海道にはインターロッキングや土間コンは皆無か?
そんなことはない。
町のあちこちに土間コンやILBを見かけることができる。
アスファルトもそう。
「凍上には効果ないんだ。じゃあ、だめだね」
ということはなかった。
一縷の望みをかけてアクションを起こした(セミナーに足を運んだ)人たちは、
やっぱり非常に前向きな人たち。
凍上がだめだからやめようなんてネガティブな人たちならそもそもセミナーにはこない。
前回の北海道セミナーで「挑戦」が確認された。
(※実際いくつかの対策をセミナーの中で議論もした)
毎月セミナーが開催される。
今実際お問い合わせもいただいている。
少しずつ透水性コンクリート「ドライテック」の普及が広がり、
それらは北海道の景観に少しずつ馴染んでいく。
外来種透水性コンクリート。
その普及は今始まったばかりだ。
北海道から沖縄まで土間コンの当たり前。
そうなってこそ、次世代の土間コンの常識を謳える。
生コンでいいこと。
透水性コンクリートの挑戦は続く。
宮本充也