2018/08/22
「最近一般の方より透水性の問い合わせが多くなった」

「バスケットの練習をしたい」とSカンパニーさんに問い合わせ。「いきなりの施工は怖い」ので練習を兼ねて自社展示場に。「最近一般の方より透水性の問い合わせが多くなった」
東京都東村山市Sカンパニー会社内展示場。製造渋谷建材。施工Sカンパニー
最近一般の方より透水性の問い合わせが多くなった
※施工前 エントランス展示スペース
※施工見学会としてSカンパニーさんにご提供いただいた。多くの見学者が訪れる
※完成。エントランスは水たまりができると室内に水分を呼び寄せてしまうため、透水性コンクリートにしておけば雨の日でも快適
一般の関心というものは不思議だと思う。
つくづく不思議だ。
時が来なければ一般の関心は生まれない。
我が国では透水性コンクリートの扉を開けたのは佐藤渡辺(当時佐藤道路)。
パーミアコンといって主に大型案件の建築外構や歩道や園路などに採用された。
およそ30年くらいの歴史がある。
生コンポータル
15年ほど前に透水性コンクリートを事業としてスタートした。
最初は佐藤渡辺の背中を追いかけていた。
今は市場が異なることに理解を深め、
主に小規模物件(住宅や小規模集合住宅)の外構工事に主に情報発信を行なっている。
それ以外にも、
「透水性コンクリート」
とググればいくつかのサプライヤーの名前が表示される。
それぞれにそれぞれの特徴がある。
どれがいいとか悪いとかは言えない。
個人的に15年間携わった透水性コンクリート。
15年前は一般の方の反応はほとんど0
勢い営業先も役所や大手設計事務所への訪問が中心。
いろんなメーカーがいろんな手段で透水性コンクリートを打ち出す。
そのメリットは、
・ヒートアイランド抑制
・排水設備の負担軽減
・ゲリラ豪雨対策
環境性能を謳うものだ。
ここ最近は従来の土間コンに比べて、
・施工が早い(駐車場2台分くらいなら30分)
・水勾配や排水を考えなくてもいい
・クレームに発展しづらい
など、実際に施工する人たちにとってのメリットも打ち出すようになった。
徐々に徐々に、
空気中に浮遊しているちりが少しずつ少しずつ体積していくように。
そしてある時それが磁石に触れられた砂鉄のように。
一つの方向を示す。
「最近一般の方より透水性の問い合わせが多くなった」
お客様(建設会社)からよく聞くフレーズ。
一般の関心というものがここにきて高まってきているという。
毎月20回開催されている透水性コンクリート施工見学会
関東東海や主要都市を中心に毎月20回開催されている。
いつもどこかで透水性コンクリートが施工されている。
事業として始めた頃は月に1回あればいい方。
あの頃どんな気持ちで営業していたのか。
今では随分記憶が曖昧になってきてしまった。
砂漠の祈祷師
雨が降るまで祈り続ける。
そんな心境だ。
実際に社会がこの技術(透水性コンクリート)を必要としているかどうか。
当の僕たちにはほとんど手応えがない。
営業してもしても、
なかなか事業として捗々しい成長をしない。
やめてしまいたくなることもある。
一般の関心というものは非常に不思議だ。
その時がやってこなければ、
僕たちの15年の努力や経験は見いだされない。
14年目でやめてしまっていたら、
今のような現実を経験することはなかった。
毎日のように施工される透水性コンクリート。
自分が信じていることが社会に受け入れられるかどうか。
淡々と続く毎日の普及活動。
何周も思考と実行は繰り返される。
もう、何周繰り返したかわからない。
15年前の僕たちが今の様子をみたらとても羨ましいと思うかもしれないが、
毎日透水性コンクリートが施工され、
一般からの関心のほども高まっている今に臨む僕たちの心境は結構静かだ。
これといった興奮もない。
なんだか淡々としている。
今日も、施工される透水性コンクリート。
その集積は環境温度を下げ、
地下水系に豊富な水をもたらし、
水災害の軽減に役に立っていく。
これからも淡々と普及活動を続けていきたい。
宮本充也