2018/09/19
「【週刊エクステリア 】ものからことへ。キーワードは"スピード"|透水性コンクリート」

歴史あるエクステリア週刊誌、「週刊 エクステリア」の1面を飾るという快挙を成し遂げた。モノからスタートしたエクステリアに変化が到来してきている。それは、「ものからことへ」。透水性コンクリートは全国20箇所で毎月施工体験会が開催されている
https://www.exterior.co.jp/
ものからことへ
流動性が高まる。
これまでの生コンはエクステリアにおいて異端だった。
それは流通脈がエクステリアのそれと全く異なること。
生コンクリートは大手セメントメーカーが手綱を握り、
全国にFCよろしく供給体制を広げてきたい経緯がある。
それら生コン工場はご当地ごとに「協販体制」が敷かれ、
主に橋やビルなどの大型構造物への安定供給という名目で、
カルテル
を認められた産業として発展してきた。
一方、エクステリアの業界はメーカー出荷ベースで5,000億円。
(3,000億円が民需、2,000億円が官需)
末端までを含めた市場規模は1兆円産業に発展してきた。
その流通脈は、
メーカー→問屋→工事店
という流れとなっている。
メーカーとしてはどの脈に与するか?
が非常に重要な経営判断となる。
そこには無論生コンの存在はない。
生コン産業はエクステリアを全く意識せずこれまで操業してきた。
それはエクステリアにも同じことが言える。
生コンという手離れが悪そうで商習慣も異なる「商材」に、
大手エクステリア卸のいずれも見向きもしてこなかった歴史がある。
双方、まるで関心を持たない。
なのに、必ず利用されている生コン。
面白いねじれ現象だと思う。
80万棟の新築住宅に併設される平均30m2の土間コンという市場
これまで、誰もこの市場を意識してこなかった。
単純に計算していくと、
80万×30m2×0.1m(厚み)=
240万m3
という巨大な生コンが住宅の駐車場として利用されているにもかかわらず、
まるで誰も意識を向けてこなかった。
そう考えることができる。
そしてこれは無視すべき市場なのか?
それともチャンスある市場として注目すべきなのか?
「ものからことへ」のパラダイムで注目される透水性コンクリートの市場規模
およそ生コンクリートの倍の価格で流通する透水性コンクリート。
仮に、30,000円/m3として、その市場規模は、240万m3×3万円=
720億円市場
我が国の生コン市場がおよそ9,000億円と言われているので、
10%の市場規模を占めていることになる。
これは無視できない市場といえる。
低迷低迷と口を開ければ生コン産業。
それでは何か具体的な策を講じているかといえば、
「面倒くさいのはいやだ」
といつの時代の幻影なのか作れば売れるのあの頃を夢見る。
何も動かない。
無論、市場は住宅の駐車場に限ったことではない。
これまでアスファルトやインターロッキングブロック、平板などまったく異種の舗装材料が利用されていた市場分野。
ここは大海原として生コン産業の前に広がっている。
それを見過ごす手はない。
透水性コンクリートが提供するコト
新聞でも取り上げてもらえたように、
・水が浮かないので迅速施工が可能
・メッシュ配筋がいらないため省力化
・水勾配設計がいらないので自由度が上がる
という施工者にとっての「コト」ももちろん重要。
この「コト」のおかげで火のような普及が実現している。
ただ、透水性コンクリートがもたらす「コト」はそれだけではない。
生コン産業に目を転じてみよう。
今後確実に低迷するものづくり産業の代名詞。
その中でエクステリアだけでも従来の市場規模の10%も見込める。
さらにそれ以外の市場を積算していけば、
低迷低迷
が嘘みたいに新しい市場が開けてくるのではないだろうか?
その市場をチャンスとして事業推進する「コト」。
これだって重要な経験になるはずである。
さらに、
透水性コンクリートは環境に優しい。
地表面をいたずらに被覆するのではないから地下水系が壊れない。
さらに、路面温度はほかの舗装材に比べて低く打ち水をすればさらに冷却効果があるのでヒートアイランド現象の抑制ひいてはゲリラ豪雨などの水災害対策にもなる。
これだって環境に貢献しうる生コン産業の可能性としての「コト」となる。
これまで双方見向きもしてこなかったエクステリアと生コン。
歴史ある週刊エクステリア1面に「生コン」が登場したコト。
これは将来になんらかのメッセージを送っているはずだ。
これまでになかった組み合わせに。
必ずぼくたちが活躍できるフィールド(市場)がある。
水の次に流通する材料「生コン」の潜在性はまだまだ全貌が見えていない。
宮本充也