2018/09/27
「目詰まりとかですぐにダメになったりしない?|透水性コンクリート」

これまたよくある質問「目詰まりでダメになったりするでしょ?」。これは多分にアスファルトのイメージが前提にあったりする。どうして透水性コンクリートは目詰まりに強いのか?解説。
目詰まりとかですぐにだめになったりしない?
ここに1個のポリバケツと1枚のガラスがあるとする。
それぞれは外に1年放置され365日太陽と風雨に曝されることになる。
強烈な紫外線や暑い寒いの繰り返し水の作用。
こうした過酷な外部環境は1年後それぞれにどのように変化をもたらすだろう?
※市販されている普通のポリバケツ
※こちらも市販されている建築用ガラス
意外なことにこれが「目詰まりどうなの?」に対する答えとなる。
ご想像のとおり、ポリバケツは有機分が劣化・分解され、
強度は著しく損なわれ衝撃ですぐに割れを起こすようになる。
これは、ポリバケツが石油製品であることに由来する。
一方、ガラスは1年10年経っても「西日で溶けました」なんてことはない。
ガラスが西日や風雨で簡単に劣化してしまったらそれこそその機能を十全に果たすことができない。
その耐久性の由来は、シリカなど無機物質であること。
一般に知られているように、
アスファルトは石油製品(有機物)。
「どうせすぐに目詰まりとかするんでしょ?」
のイメージは多分に排水アスファルトがすぐに目詰まりを起こして水たまりができているところを見たことのあることに起因する。
これは砂や埃で目が詰まっているのではない。
アスファルトが石油製品であることで水を透すための空隙が荷重や紫外線劣化または熱によって破壊され、
「目潰れ」
が起きていることで水を透さなくなる。
このため透水性コンクリートのイメージも一緒くたにされてしまう。
透水性コンクリートはガラスの仲間。
アスファルトと違ってコンクリートはセメントと石で構成されている。
いずれも無機物(SiとかCaとか)となっているため、
アスファルトがポリバケツの仲間としたならば、
コンクリートはガラスの仲間ということになる。
前述のようにガラスは劣悪な環境に長年さらされていてもへこたれることがない。
ガラスはガラス。
意図的に衝撃を与えたりなどしなければ、
溶けたり割れたりをすることはありえない。
これと同じことが透水性コンクリートにも当てはまる。
長年の風雨や熱、紫外線にさらされたとしても。
空隙が破壊されることは「絶対に」ありえない。
だから、
アスファルトのように目詰まりを起こしていつしか水たまりできちゃいました。
なんてことはありえないのだ。
もちろん外部要因(砂埃や土埃)によって空隙自体が詰まってしまうことは考えられる。
ただ、それは「回復可能な目詰まり」だから高圧洗浄などのメンテナンスで解消することは可能。
だから、透水性コンクリート。
目潰れを起こすことなく恒久的に水を通し続けます。
最初だけ水を透して水溜まりできないなんて詐欺みたいな話はありません。
ご安心を。
そんな、生コンでいいこと。
広がってます。
宮本充也