2018/10/25
「どうして【雪国・寒冷地】こそ透水性コンクリートなの?」

東北・北陸を始め雪国・寒冷地での透水性コンクリートの普及が加速している。15年の歴史をもつ透水性コンクリート「ドライテック 」はここ数年寒冷地での実績を増やしてきた。数年経ってわかってきたこと。
雪国で加速する透水性コンクリートの採用、【浮き水】と【雪解け】
※宮城県石巻市の復興住宅の外構で採用された透水性コンクリート。スロープがあり、凍結しない性能に評価。
※山形県山形市のミツワ生コンさんは山形エリアでの透水性コンクリート普及の要となっている。
※福島県南相馬(東北レミコン)に設置された透水性コンクリート展示駐車場。
なぜ、雪国なのか?
先日の山形もそう。
なぜ、寒冷地なのだろう?
その答えは、「スピード」にある。
通常の土間コン施工と比較してみたい。
普通、土間コンは朝1番からの施工と相場が決まっている。
それは、
ブリーディング・浮き水
と呼ばれる現象に起因する。
通常の生コンにはペーストがある。
粗骨材と粗骨材の隙間の空間を埋めるように、
水・セメント・砂
で構成されるモルタルペーストが存在する。
そのペーストは比重のことなる3成分から構成されているため、
材料分離
と呼ばれる現象を起こす。
これが、浮き水の正体。
通常この「浮き水」が消滅しなければ仕上げ作業には入れない。
そのため、冬場浮き水が消滅するには3時間以上もかかってしまう。
だから、0度を下回る環境での土間コン仕上げは不可能。
雪国・寒冷地では通常冬場の土間コン打設は敬遠される。
一方、透水性コンクリートの場合、そのブリーディング・浮き水がない。
なぜか?
粗骨材と粗骨材の間の空間がペーストで満たされていない。
これが、答えだ。
と同時に、その満たされていない空間がある透水性を支える「水を透す」理由ともなっている。
そのため、待ち(ブリーディング・浮き水が引くまで)が発生しない。
だから、すぐにプレート転圧などの仕上げに入れる。
だから、30分で仕事が終わるから、0度を下回る環境での施工とはならない。
もう一つの理由、凍結しない、雪解けが早い。
凍結。
雪国で足を滑らせてひやとしたことくらい誰でもあるはずだ。
その凍結。
水があるから、凍る。
当然のことだ。
その凍結。
水がない透水性コンクリート表面では起きようがない。
だから、歩行が安全。
路面凍結が解消されることの価値は寒冷地において大きい。
さらに、雪解けが早いという報告もされている。
昼間雪解け水は透水性によって除去される。
通常の路面の場合、せっかく溶けた水もそこにたまり、やがて夜を迎え再び凍結する。
そのため、なかなか雪解けが進まない。
透水性コンクリートの場合順調に雪が溶けていく。
寒冷地・雪国で数年経過した透水性コンクリート「ドライテック 」。
やはり、新しい製品は採用が怖い。
もし採用して想定外のトラブルが発生したらどうしよう?
その心理は当然だ。
そして、ここにきて、寒冷地で数年経過した透水性コンクリートがその土地の人々の信頼を得てきた。
寒冷地・雪国で数年経過した透水性コンクリート「ドライテック 」。
普及は加速する。
生コンでいいこと。
宮本充也