長岡生コンクリート
オコシコンは高い透水性を持ちながら表面強度・曲げ強度に優れたポーラス構造の高強度コンクリート

2016/08/24

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「マーケットコラボ」道路会社と生コン工場

「マーケットコラボ」道路会社と生コン工場

年中本ブログではコンクリートと念仏のように唱えているので、

まるで世界中の何から何まで生コンで作ってるかのような感覚にとらわれてしまいそうだが、

念のため断っておくと、すべては生コンではない。

バファリンのように、「半分は思いやり」とか言いたい分けではなく、

道路舗装に使われているのは、大半がアスファルトである、ということを伝えたい。


一般には舗装に使われている材料は生コンだろうがアスファルトだろうが、

「別に、どっちでもいいし」

かもしれない。

しかしぜひここではそんなに消極的にはならないでいただいて、

もしかしたら、あなたがクイズ番組に参加して、「横取り40万の局面」での出題が、

「日本の舗装材料95%は何でしょうか?」

だったとしたら、このブログを真剣に読んだことがとても有効かもしれない。

まあとにかく、特に日本では圧倒的にアスファルト、となっている。

※ちなみお隣韓国は半分がコンクリートであるなど、国々によってその比率はまちまち

特に日本においてはコンクリート舗装の比率が極端に小さく(5%程度)、

ここ数年来ZENNAMA(https://www.zennama.or.jp/)では生コン需要喚起の重要課題として、

「コンクリート舗装普及推進」

に力を入れてきた(小職もWGの委員として活動をした)。

しかし、その活動の道のりはとても平たんではなく、

一部では確かに有効性を再認識されはしているけれど、

引き続きアスファルト舗装に比べ分が悪い状況が続いている。


原因には、

両者(コンクリートとアスファルト)の産業構造の違い

があると思っている。

アスファルトの産業構造も実はセメント・生コンクリートととても近い。

生コン産業におけるセメントメーカー(原料メーカー)のポジションにあるのは、

sekiyumotouri.jpg

石油元売り会社と呼ばれる上記大資本となっている。

セメント資本の趨勢と酷似していて以前は10社程度あったセメントメーカーが、

現在主要3社に収れんされていったように、石油元売りもBIG3に収れんされている。

ただ、その先の産業構造が両者間でずいぶんと違う。

アスファルトの場合、原料を購入して製品として世に出す役割(セメント・生コンでいうところの生コン工場)

を担っているのは、道路会社と呼ばれるアスファルト工場を全国に持つ企業。

単位:百万円・データ更新0501
順位  社  名  企業
HP
道路舗装
完工高
対総完工高比 総完工高 総売上高 決算期
1 (株)NIPPOコーポレーション HP 137,888 ( 73 %) 189,049 278,205 04/03
前田道路(株) HP 91,178 ( 89 %) 102,718 153,569 04/03
日本道路(株) HP 79,596 ( 78 %) 102,204 127,077 04/03
大成ロテック(株) HP 71,153 ( 79 %) 89,797 110,676 04/03
5 鹿島道路(株) HP 65,666 ( 79 %) 83,387 103,948 04/03
世紀東急工業(株) HP 49,752 ( 88 %) 56,695 73,942 04/03
東亜道路工業(株) HP 49,064 ( 90 %) 54,691 73,047 04/03
大林道路(株) HP 43,502 ( 69 %) 62,807 75,581 04/03
(株)ガイアートT・K HP 37,008 ( 96 %) 38,545 46,696 04/03
10 三井住建道路(株) HP 30,909 ( 92 %) 33,485 39,552 04/03
福田道路(株) HP 29,967 ( 89 %) 33,834 40,821 03/12
常盤工業(株) HP 26,721 ( 95 %) 28,108 29,269 04/03
北川ヒューテック(株) HP 23,725 ( 91 %) 26,139 29,012 03/05
佐藤道路(株) HP 22,811 ( 98 %) 23,250 24,973 04/03
15 大有建設(株) HP 21,211 ( 81 %) 26,091 30,034 03/06
(株)渡辺組 HP 18,968 ( 97 %) 19,555 23,286 04/03
フジタ道路(株) HP 18,790 ( 84 %) 22,247 22,131 04/03
東京鋪装工業(株) HP 16,652 ( 94 %) 17,680 20,654 04/03
(株)竹中道路 HP 11,363 ( 96 %) 11,837 12,770 03/12
20 東洋ランドテクノ(株) HP 9,289 ( 88 %) 10,546 10,754 04/03
道路工業(株) HP 8,072 ( 94 %) 8,567 10,655 04/03
地崎道路(株) HP 6,961 ( 95 %) 7,303 8,088 04/03
戸田道路(株) 5,863 ( 80 %) 7,365 7,365 04/03
加州建設(株) 5,294 ( 98 %) 5,426 5,819 04/03
25 松尾舗道(株) HP 5,137 ( 97 %) 5,316 5,698 04/03
光工業(株) HP 4,906 ( 96 %) 5,131 5,193 03/05
丸建道路(株) 4,811 ( 97 %) 4,981 5,238 04/03
ユナイト(株) HP 4,436 ( 100 %) 4,436 11,643 04/03
ワールド開発工業(株) HP 4,281 ( 61 %) 7,049 7,193 03/06
30 本間道路(株) HP 4,031 ( 97 %) 4,167 4,779 03/12
明清建設工業(株) 4,013 ( 95 %) 4,231 4,231 04/03
金亀建設(株) HP 3,770 ( 85 %) 4,413 4,621 04/03
ヤハギ道路(株) HP 3,583 ( 92 %) 3,901 4,067 04/03
道路建設(株) HP 3,385 ( 99 %) 3,397 3,968 03/09
35 協和道路(株) 3,373 ( 94 %) 3,607 4,199 03/10
アイトム建設(株) HP 3,248 ( 82 %) 3,960 4,439 03/09
三共舗道(株) 3,246 ( 99 %) 3,295 3,295 04/03
協和道路(株) 3,209 ( 73 %) 4,406 5,047 03/05
安藤技建(株) HP 2,995 ( 54 %) 5,589 5,651 03/08
40 不二建設(株) HP 2,985 ( 67 %) 4,429 5,192 04/03
あすなろ道路(株) 2,875 ( 99 %) 2,913 2,913 04/03
(株)エコワーク HP 2,791 ( 88 %) 3,182 3,866 03/09
山本建設(株) HP 2,779 ( 62 %) 4,518 4,949 03/06
共英西沢建設(株) 2,747 ( 54 %) 5,134 5,359 03/06
45 朝日工業(株) 2,706 ( 82 %) 3,289 3,289 03/06
吉田道路(株) HP 2,600 ( 99 %) 2,605 2,760 03/11
富士建設(株) 2,254 ( 92 %) 2,444 2,692 04/03
西部道路(株) 2,217 ( 75 %) 2,970 3,315 03/06
沢田工業(株) 2,205 ( 98 %) 2,239 2,330 03/06
50 秋津道路(株) 2,138 ( 88 %) 2,429 2,429 04/03

※引用https://www.kenkocho.co.jp/html/kd_zk_dh.html

ざっと見ていただければお分かりのように、

「いちいちの会社が結構でっかい」

というのがセメント・生コン産業に比べた場合の大きな相違点である。

いつも言っていることだが、この点生コン工場は、

「大半が中小零細企業」

であり、3406ともいわれる工場が小さな規模で全国に分布している。


やはりこれまでの産業を振り返るとある程度の規模に合理化された意思決定の仕組み

つまり、大企業

が日本経済の成長のエンジンとなってきたのだから、

そのような産業構造にならなかった(中小零細企業が大半である生コン産業)ために、


アスファルト舗装>コンクリート舗装


となったのにはきちんとした理由があるということになる。


このところ某大手道路会社からGNN元気な生コンネットワークの工場に、

大規模な案件の引合いが寄せられるようになった。

このところのゲリラ豪雨や河川の氾濫大規模水害を受けて、

「透水性コンクリート」

の必要性が高まっている、という総論はある程度理解されている。

ただし、各論に入ると、道路会社はやはりアスファルトのプロだけど、

意外なことにコンクリートについては、すみません、「素人に毛が生えた程度」の知識しかない。

(すみません)

そんな大手道路会社がヒートアイランド抑制や冠水抑制などの提案を求められた場合、

「相談する相手がいない」

というのは、結構あるある、らしい。

それを証拠にようやく90社以上の加盟を数えある程度の認知度を有するようになった、

GNN元気な生コンネットワーク https://genki-namakon.net/

加盟工場に、各地の道路会社さんが、透水性コンクリートの相談を寄せるようになってきた。


よくよく考えてみれば当たり前のことなんだけど、

透水性コンクリート舗装の市場を持っているのは、

「舗装を営んでいる道路会社」

となる。

その主要材料としてのアスファルトは道路会社が自前で全国に配置しているのだが、

透水性コンクリート

は自前で作ることができず、現地にある生コン工場が裏付けとなる。

GNN元気な生コンネットワークが、

道路会社にとっての自前の工場群

として機能を果たすことによって、市場と供給のコラボレーションが生まれ、

日本全国に本当の意味で必要とされる透水性コンクリートが普及されていくのかもしれない。


産業構造や企業文化など、今ある形には必ず「それができた理由」が存在する。

僕たちの手で「透水性コンクリートが当たり前の世の中」を創っていくためには、

透水性コンクリートが当たり前の世の中になった理由を僕たちが創るべき。

マーケットコラボレーション

(道路会社と生コン工場)

がこれからの建設産業における新しいキーワードかもしれない。


宮本充也

宮本 充也

主な著者
宮本充也

1級(舗装・造園・建築・土木)施工管理技士/コンクリート主任技士・診断士/砂利採取業務主任者/採石業務管理者

危険物取扱責任者(乙4)/毒物劇物取扱責任者/日本農業検定(1級)/エクステリアプランナー(2級)/運転免許証(大型・中型)

勉強中の資格:宅建士

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