2018/11/26
「木材と生コンが融合する未来とは?!」

木材とコンクリートの夢のコラボが実現。原始な原料で先進的でもなさそうな両者が混じり合うことでできる先進技術があった。木材と生コンが融合する未来とは?!
木材と生コンが融合する未来とは?!
※生コンクリート用混和材として開発されたスミリンプレミアムファイバー(右)は通常の繊維(左)に比べて驚異的な分散性を有している。
※とりわけ透水性コンクリートの混和材として利用することで各種アドバンテージが強調される。曲げ強度はなんと20〜30%の改善。
※木材を添加すると「だめになりそう」な生コンがなんとめっちゃよくなる。信じられるか?
木材とコンクリートの夢のコラボ。
海外では常識的な舗装としての地位を確立している透水性コンクリート。
現在わが国でも生コンが中心となって普及が加速している。
さまざまな混和剤や配合設計のアプローチでその性能向上を各社期待している。
・高性能AE減水剤
・特殊加工された混和材各種
あらゆる可能性が取りざたされてきたが誰もこの可能性に気づくことはなかった。
・木材
まさか、木材を生コンに入れることで透水性コンクリートの性能向上を期待するなんて誰が想起しただろうか。
住友林業の柿谷さんは木材(木質繊維)の可能性に人生を賭けている一人だ。
一方こちとら透水性コンクリートの普及に全力投球。
神様に感謝したくなるご縁というのはこれだ。
何かに本気で取り組んでいる人同士はなんらかを生み出す。
その可能性をこの技術に見出している。
信じられない木材とコンクリートの相性
コンクリート技術者が最初に思うこと。
「木材なんか入れて大丈夫?」
これは有機分を入れて無機質のコンクリートの耐久性は損なわれないのか?
という率直な疑問。
誰もが持つだろう。
「木材を腐らせる【腐朽菌】は高アルカリ環境下では生育できない」
これだ。
コンクリートが木材を護るり存在する。
そして、木材はコンクリートの性能を向上させ存在する。
なんだこの相性の良さは。
・透水性はそのまま
・骨材の欠落(飛散)を抑制(繊維が骨材同士をつなぎとめる)
・木材特有の高い保水性で施工中のドライアウトを抑制(施工後の保水性については今後の検証)
・繊維補強で強度や耐久性の大幅な改善
一見無関係にも見える組み合わせ。
神様に感謝したくなるご縁。
「木」と「コンクリート」の組み合わせ。
その取り組みが今動き出そうとしている。
これが単なる可能性で終わらせてしまったら当事者としての僕たちに価値はない。
世にこの価値をきちんと伝え、
社会、そして環境の役に立ってこそ情熱の熱に価値がある。
単なる情熱は燃料にすらならない。
熱いだけだ。
このチャンスをきちんと活かし努力をしていきたい。
柿谷さんの発表で改めて透水性コンクリートの社会的意義に気づいた。
客観的に理解できた。
木材に人生をかけた男に向き合えるよう今後も努力を怠りたくない。
考えられない夢のコラボがもう始まっている。
生コンでいいこと。
宮本充也