2019/01/26
マイクロプラスチックから考える、モノづくり産業の再定義|アスファルトと透水性コンクリート

スターバックスがプラスチックストローを全面的に廃止したことがニュースになった。時代のメガトレンドは脱プラスチック、石油製品。大量に流通している道路の材料・舗装材の95%。アスファルト。
脱プラスチックというメガトレンドとコンクリート舗装
石油製品のストローを全面廃止のトレンドは外食産業全般に伝播している。
その根本原因と言われているのがマイクロプラスチック汚染。そのプラスチックは石油製品。(中日新聞のHPから引用)
石油精製の技術は飛躍的に改善し今やアスファルトは副産物ではないことはあまり知られていない。石油を原料として【わざわざ】作っているということは、石油製品ということができる。
ロハス、環境配慮なら脱石油製品。
そもそも石油は無限ではない。
掘り尽くしてしまったらそれでおしまい。
コンクリート舗装はロハスなのか。
残念なことに今はそうではない。
有限なる山河を削って人口の岩(コンクリート)を作っている。
そういう意味ではアスファルトと同じ。
ただ、循環の可能性はある。
コンクリート解体ガラや残コン戻りコンという都市鉱山。
100億立方メートルと言われるコンクリートストック。
いつしかそのストックは供用期限が満了する。
解体すればそれらはガラという廃棄物となる。
また、生コン工場を操業していれば必ず発生する残コン・戻りコンという産業副産物がある。
それら発生物を再定義する。
過去のアスファルトは石油を生成する過程でどうしても発生してしまう残渣を原料として利用していた。
当時はイノベティブな技術だった。
コンクリートも5%とわずかではあるが舗装材として利用されている。
そのコンクリートのほぼ100%は天然骨材(砂利、砂)で製造されている。
理屈としてはその骨材(砂利、砂)を、
ガラ
残コン・戻りコン
で代替することは可能だ。
なぜ、それができていないのか?
産業構造を変革することがロハスな舗装材を作り出す
なぜ日本の道路の大半はアスファルトになったのか?
その答えの1つに産業構造がある。
舗装材の供給者はいずれも大企業。
大資本。
全国800と言われるアスファルトプラントはいずれも大手道路会社の傘下。
そのため、全国統一した意識で明確な目標に向けて有機的に動くことができる。
一方、生コン3000工場。
そのほとんどが中小企業。
例えば理屈としてサステナビリティな技術が生成されたとしても、
全国統一的な意識、統合的な動きに発展しづらい。
イノベーションはテクノロジーではなく流通、
産業構造に鍵がある。
ごく微量のセメント(エコセメント)と100%再生骨材を用いた舗装材という技術は確立されているものの、普及は限定的。
ものづくりそのものよりも今後は産業の再定義が重要となる。
全国3000のそれぞれ全く独立(孤立)した存在、生コン。
その3000を統合された供給インフラとして定義しなおす。
生コン工場の定義を変える。
統合された意識を生み出す構造に変革する。
技術を作ることよりも、
産業そのものの定義を変革しなければいつまでたってもテクノロジーは形にならない。
脱石油製品。
サステナブル。
そのために必要なのは技術革新ではない。
普及に携わる1人として身に染みていることだ。
生コンでいいこと。
宮本充也