2018/07/25
「新規事業としての生コン」なにを・だれに・どうやって

生コン屋のお客様は建設会社。
生コン同様縦の脈の構成要員であるため、
市場がピークの半分以下という海で泳いでいる。
以前では有り余る物量をこなすだけで手いっぱいで、
「作れば売れる」
「のぼり竜」
なんて話はロストジェネレーションの僕には想像できない。
そして、今。
ピークの半分以下になったばかりか、
モノを作る
から、
維持補修
という文脈への大転換の只中にあり、
建設会社としての在り方も問われている。
つまりいつの時代も変化で来た者だけが残るという原則が適用される。
変化。
ビジネスにおける変化と言えば、新規事業を想像するだろう。
僕の職業人生は新規事業の人生といってもいいくらい、
急減する建設市場への危機感から様々な事業に手を出してきた過去がある。
このところようやっと身の回りでもこの「関連事業への展開」がささやかれるようになり、
僕がこれまで培ってきた経験がもしかしたらそんな建設会社のためになるかもしれない、
そんな風に感じることが多くなってきている。
新規事業を進める上でのフレームワークとして、
・なにを
・どうやって
・だれに
というものがある。
中でも、
「なにを」
が入口では重要となっていて、
大切なのは本業の専門性が生かされる対象を選ぶことだと思う。
生コン屋の社員は基本的に生コンが好きだから生コンをやっているわけで、
ある日突然上司から、
「遠洋漁業でカツオ釣ってこい」
と言われたら、僕なら退職する。
つまり、事業において最も大切なリソースであるヒト(の専門性)が活かされる対象を選ぶと、
幸先の良いスタートとなる傾向にある。
建設会社が必ず使用する材料→生コン
ということを考えると、生コンにかかわる新規事業は吉となるのではないだろうか?
例えば、こんな会社。
「月に大抵20棟くらいの新築住宅のエクステリアを請け負っている」
宮本建設という会社だったとする。
基本数年場合によっては長年同じような業態を続けていると、
マニュアルも整備されてくるだろうし段取りもある程度体系化されている。
そのため、コモディティ化(均一化)が発生し、
「顧客が他社ではなく、宮本建設のエクステリアを買う理由」
が希薄になっていく。
このコモディティ化した業態の中でも必ず構成要員となっている、
「生コン」
に変化を取り入れるといったような新規事業。
例えば、
GNN元気な生コンネットワークで全国展開中の生コン新技術、
小規模透水性コンクリート舗装
(製品名ドライテック)
https://www.nr-mix.co.jp/dry_tech/
例えば20棟の工事でも必ず利用されるのが、
・アプローチ
・駐車場
などの、土間コンクリート、という箇所。
生コンそのものが水の次に流通する材料→汎用製品、であるため、
そこではまったく「顧客が宮本建設を選ぶ理由」を提供できないところに、
小規模透水性コンクリート→ドライテック
を、ぽんとおいてみる。
・水たまりができない
・じめじめしない
・車いじりがしやすい
など、従来生コンでは提供できなかった「買う理由」を不可することができるため、
業態のコモディティ化を防止することになる。
これはあくまで一例で、
「新規事業に生コンを取り入れる」
という文脈は非常に応用範囲が広い。
なぜなら、「建設会社にとっては必ず使用するもの」だから。
そして、この生コンを取り入れた場合の価値は無限大となっている。
GNN元気な生コンネットワークでは日夜全国・世界の生コン関係者が、
様々な技術開発を執り行っている。
彼らのそんな開発の成果は全国の生コン工場で共有されている。
つまり、
どこかの街のどこかの建設会社が生コンを新規事業の要素として取り入れようとした場合、
「GNNがその生コンを提供する」
ということになる。
新規事業はとかくイニシャルのリスクが大きい。
・契約金
・設備投資
・ノウハウの修得
etc・・・
本業がぱつんぱつんに忙しい中、あれこれ気を回すのはとても大変。
GNNにアクセスすればある程度出来上がっている、
「新規事業の『何を』」
がたくさんそろっているということ。
つまり、リスクなく新規事業という柱を手にすることができるということ。
新規事業としての生コン。
建設会社にとっては、もしかしたら一番の近道なのかもしれない。
そして、GNNにとっても、今やっている多くの研究は、
こうした建設会社の役に立ってこそ本当に花開くのかもしれない。
宮本充也