2016/10/17
「視点によるカメレオン的価値」透水性コンクリートの価値色々

橋でもビルでもなんでもかんでも、
モノの形が出来上がるまでには理由が存在する。
なんとなく理由もなく橋やビルやなんでもかんでもはできあがらない。
そして、よりよいモノが出来上がるまでには、
それに携わる人たちが全体像をきちんと理解して、
それぞれの役割をきちんと明確に置いたうえでじゃないと、
そうした良いものが出来上がることは難しい。
目的が何なのかがわからないままそれぞれ好き勝手に、
楽器を演奏するオーケストラがカオスであるのと同じ。
これを透水性コンクリートの事業
→出来上がるまでに多くの個人と組織が介在する
メーカーである生コン工場は、
「透水性コンクリートを作りたい人」
ということができる。
そして、消費者である施主は、
「暮らす上での付加価値(としての透水性コンクリート)が欲しい人」
になる。
この2者間だけでは、透水性コンクリートがお庭の駐車場や裏庭に施工されることはない。
ざっと2つの役割が求められるだろう。
1.施主のソリューションが「透水性コンクリート」であることを伝える役割
2.透水性コンクリートを施工する役割
この2つの役割を全うするためには、それぞれ違った情報提供が必要となる。
1の役割として、僕たちはIT戦略を選択している。
ITの特徴としては無限の拡散力と情報の劣化(消耗)がないことが挙げられるので、
透水性コンクリートの持っている価値をきちんと「伝えられる形」にしたうえで、
適宜情報提供をする必要がある。
ただ、1の対象となる施主は工事や材料に関するノウハウは全く持っていない。
だから、仮にその付加価値に納得したからといって、それですぐに完成はしない。
やはり、施工・工事店などのような存在が専門的見地から、
施主にとってのソリューションであることを理解し具体的な形にする必要がある。
物事の流れを構成するすべての役割がきちんと納得しなければ、
アウトプットとしてのいいものは完成するのが難しい。
仮に、施主が猛烈に透水性コンクリートの価値を理解してほしいとなったとしても、
施工店がその本来の価値に気づかない限り、目的のないオーケストラと一緒で、
カオス(→施工の失敗または失注)
構成要員、
「供給する人」
「作る人」
「使う人」
がそれぞれきちんと納得をした上でないと、人はロボットではないので、
いいものができることがない。
最近はそんな視点でIT戦略→情報発信の形を変えることを検討している。
もちろん、一般消費者(B to C)への価値の発信は大切だけど、
これからは、施工店(B to B)への訴求もより具体的に戦術を実行する。
施主にとっての「よかった」と、
施工にとっての「よかった」は、
必ずしも一緒ではない。
この点をしっかりと念頭に踏まえて、WEBサイトの様式を修正していこう雄と思う。
以下は、施工(B to B)にとっての良かった(専門的見地から)
・設計水勾配を考慮する必要がない
・敷設直後転圧のため短時間で施工が終わる
・鉄筋(鉄網、メッシュ筋)を入れなくていい(手間が軽減)
・差別化要因とすることができる
etc・・・
どこにも、「透水性がよかった」とはなっていない。
施工店にしてみれば、
「水が透ろうが透らまいがどうだっていい」
ってことになる。
施主さんが喜ぶ価値だけを必死に工事店・施工に伝えても、
まるで意味がないってことに気づかなければならない。
モノができるまでのプロセスにおける、
すべての役割を担当する人がきちんと納得しなければ、
透水性コンクリートの価値はサプライヤーである僕たちの、
独善的な、「すごいでしょ!水とおすでしょ?!はんぱないでしょ」という、
自己満足に終わることになる。
世のなかは変わらない。
IT戦略、情報発信を考えて実行に移すことは僕たちものづくりの観点からすると、
とても新しい素晴らしいフィールドである。
社会にとって有益だと信じているからこそ、
こうしたことをきちんと整備してきちんと役に立ちたいと思っている。
宮本充也