2019/04/06
木と(透水性)コンクリートはどう混ざりの合うか【住友林業】との挑戦

普通生コン、透水性コンクリートなど合計5バッチの実験を行う。木、そして、コンクリート。一見対立するようにも見える両者が融合することで何が生まれるのか。挑戦は続く。
木とコンクリートは混ざり合うのか?
スミリンプレミアムファイバーは住友林業(柿谷研究員)が開発した木製混和材であり、水に溶ける包装を標準としてきた。
創意工夫の一環として写真のように圧縮したものを直接ドラム投入という実験も行われる。
今回確認するのは、フレッシュ性状(スランプ、空気量、混和材分散の様子、ブリーディング他)と1週・4週強度など。
木は腐るけど耐久性は大丈夫なの?
木質繊維を生コンに投入することで強度増進が分かっている。
これは透水性コンクリートの場合でも顕著。
従来の強度よりも30%オーダーで強度が増す。
これは、木質繊維がセメントの付着強度を補っているから。
ただし、そうは言っても、木。
木は腐る。
そんなものをコンクリートに入れて大丈夫?
もっともな疑問だろう。
柿谷研究員によれば木材が腐る原因となる細菌は高アルカリ環境では存在できない。
つまり、pH12以上の生コン、コンクリートには侵入しようがない。
結果腐らない。
非常に尤もな理屈だ。
さあ、そしてそれは普及によって証明されていく。
透水性コンクリート供給体制200工場と住友林業の挑戦。
そして、普及のためには製造インフラと施工インフラが必要。
今後透水性コンクリートをきっかけに生成されている製造インフラ(全国200の生コン工場)と住友林業の施工ネットワークが融合して流通網が活性化する。
木とコンクリート。
イノベーションはインフラに支えられ世に普及する。
ものは売ろうと思って売ってはならない。
売れるインフラ(流通構造)をいかに創造するか。
ここが大切だ。
こうした新規性の高い機会に前向きに取り組むネットワーク。
元気で前向きな生コン工場や、新しいものに積極的な施工者たち。
こうしたネットワークに名前はもはや要らない。
ITと企業間連携の時代。
そうした共感をベースに生み出されるネットワークは世の中を変えていくことだろう。
そんな「こと」に名前をつけて固定化しようとしてもムダだ。
そのネットワークは誰かのものじゃない。
新技術に前向きで積極的な全ての人たちのもの。
それぞれが、それぞれに意義を見出したらそれでよい。
木とコンクリートだけじゃない。
あらゆる可能性はそんなネットワークの上で試され世の中に見出される。
市場と顧客に求められ確かな生命力を持つプロジェクトはそんな新しい流通構造で埋もれず輝くことになるだろう。
生コンでいいこと。
宮本充也