2019/04/08
「空間でありコンクリート?」ウッドデッキの駐車場はやがて【完全クローズドループ】へ発展する

天然木のデッキに車が乗れたどうでしょう。このところ、木とコンクリートの融合が話題になることが多い。これまで対局と考えられてきた両者の融合にはどのような展望があるのか。
施工:小泉木材、(生コン)製造:東伸コーポレーション
天然木と透水性コンクリートの融合
天然木デッキを駐車場として開放したい。そのために採られた措置は下地を透水性コンクリート(空隙20%)は「コンクリートであり空間でもある」マテリアル。
天然木に白線で駐車スペースが仕切られている光景はありそうでなかったはず。
逆側から撮影(小泉木材)した写真。あなたがドライバーなら多少躊躇があるかも?
空間でありコンクリートでもある。
それは、コンクリート。
車(トラックや重量車両)が乗れる丈夫なコンクリート。
それでいてまた同時に空間。
コンクリートの内部に20%程度の連続空隙がある。
つまり、空間でもある。
それが、ポーラスコンクリート(透水性コンクリート)の特徴。
だから、実現できる。
ウッドデッキに車が乗り込む。
静岡県伊豆の国市の実績(個人住宅)。
こちらは、神奈川県横浜市の施工実績。本当はウッドデッキを撤去して透水性コンクリートという計画だったところが、「まだウッドデッキつかえるじゃん」となって生まれたアイディア。
木製の駐車場が当たり前になる。
空間でありコンクリートでもある。
それが、ポーラスコンクリート。
透水性コンクリート「あぁ、水を透すコンクリートなんだな。」
と名前をつけてしまったらそれはそれで可能性を狭くしてしまう。
名前なんか重要じゃない。
それそのものがどのような手段になり得るか。
手段としての機能を見極める視点。
それが重要なんだと改めて感じ入った。
天然木のウッドデッキが駐車場になっている。
その事実が教えてくれること。
サステナブルで天然資源だけの材料開発へ。
生コンも木材もいずれも天然資源。
ただ、木材はサステナブルだ。
環境がきちんと保全されていさえすれば次から次へと生えてくる。
一方、コンクリートはそうではない。
残念なことに有限な山河を削り加工し出来上がっている。
そのコンクリートを木材のようにサステナブルにする技術はなくはない。
ただ、僕たちは今それを志向していないだけだ。
なすべき形は完全クローズドループ。
山河を削らない生コンの創造。
発生した残コンや解体ガラ(コンクリート)も全て再利用する枠組み作り。
なすべきであれば、する。
行う。
まだまだすべきことが多く残っている。
生コンというテーマを選んで一生を過ごすなら選ぶべきありかた。
完全クローズドループは究極の生コンでいいこと。
宮本充也