2019/04/13
「ポンプ車が使えれば!」現場・現実・現物に寄り添い【透水性コンクリート 】に寄せられる本当の声に耳を傾ける

アプローチの勾配とその他が逆勾配で水溜まりができてしまうため採用。生コン車からの小運搬が30mぐらい(道路から1m50幅ぐらいの路地を入る)あったので職人さんも大変「ポンプ車が使えればな!」
施工:漆原石材様 4名、製造:東伸コーポレーション
「ポンプ車が使えればな!」小運搬30mの透水性コンクリート工事
今回はアプローチと写真の犬走り部の排水(水はけ)対策として採用。写真のように施工箇所が奥に長く続く(30m2)
アプローチから施工開始。こうした施工箇所はいつもどおり敷設、転圧。
問題は犬走り。細長い奥まで材料を送り込むことそのものが大変。もちろん、転圧そのものは簡単だし、普通の土間コンに比べれば仕上げもないから簡単だけど。
通常であれば30分で終わる30m2に2時間超。「ポンプ車が使えればな!」
「ポンプ車が使えればな!」
返す言葉がない。
通常の生コン(土間コン)施工ではポンプ圧送という選択肢がある。
流動体生コンはポンプ車という重機を用いて奥まで送り込むことができる。
だから、一輪車で小運搬という作業は発生しない。
敷設そのものはすぐに終わってしまうだろう。
この点は流動性の小さく内在空隙を持つ透水性コンクリートには期待できない。
ポンプでは送れない。
だから、今回のような現場では小運搬を強いることになる。
たった30m2に2時間以上も!
(もちろん、通常の土間コンは仮にポンプ圧送したとしても仕上げで1日仕事)
普及が始まってくるといろいろな要望があるのは当然。
そんなもん無理です。
言ってしまうのは簡単かもしれない。
専門家の常識的に考えれば無理かもしれない。
ただ、見渡す世の中の当たり前はそれができるまではあたりまえじゃなかったはずだ。
それまで無理とされていたことに前向きで元気な人たちによってブレイクスルーがもたらされた。
そして、それはやがて当たり前になる。
そして、次の当たり前が打破される。
だから僕たちはものづくりの担い手の禁句は、
「できません」
「わかりません」
「知りません」
何事にも前向きに取り組む姿勢が大切。
ポンプ圧送を始め多くの期待が寄せられる透水性コンクリート。
それは、着実に普及し始めた証拠なのだと思う。
これからも、現場・現実・現物を大切に。
現場の声に真摯に。
生コンでいいこと。
宮本充也