2019/05/21
「現実を知る。その上で理想と目標を失わない。」透水性コンクリートが土間コン同様【常識】になるためには

透水性コンクリートが次代の土間コンの常識になるためには、2:6:2の6の人たちにきちんと届く価値でなければならない。つまり、「早い、安い、良い」価値として届く。透水性コンクリートは生コンで施工した土間コン同様の品質(早い、安い、良い)で市場に届くのか?
透水性コンクリートは生コンで施工した土間コン同様の品質(価格・納期)になり得るのか?
こちらが通常の生コンクリートを用いて施工された土間コンクリート。土間コンといえば、これ。つまり、現行の常識。
こちらが、透水性コンクリートを用いて施工された土間コン。こうした水を透すことで水はけを解消する性能を持った土間コンを次代の常識としたいと思っている。
常識を変えるためにはストレスを解消しなければならない。
「透水性コンクリートは普通の土間コンと違って、水を透して様々な付加価値があるので」
・納品が遅いです
・価格が高いです
これはまかり通るものでは無い。
事実材料は生コンに比べて高額。
専門的な話題となるが、車両乗り入れなどの荷重に対してペーストで耐えるのではなく、骨材と骨材の接着強度で耐える。
そのため、特殊な結合材を配合してある。
だから、今はまだ高額な材料。
(もちろん、安価にする努力は怠ってはならない)
また、そんな材料の製造であるから、通常の生コンよりも生コン工場の生産ラインに相応の負荷を与える。
その為、材料そのものは生コンよりもどうしても高い。
材料・工事の費用を合算した場合どうなる?
もちろん、現場はあらゆる条件が複雑に絡み合う。
理想的な環境が常に用意されているわけではない。
ただ、「駐車場2台分(30m2)程度なら30分で施工終了」という従来土間コンに比べて圧倒的なアドバンテージを最大限有効活用する。
その日の施工パーティーの効率を最大化する。
土間コンクリートのように施工パーティーの作業を独占しない。
以下のような計算は工夫次第で成り立つはずだ。
ーーーーーーーーーーーーーー
(施工条件)
・30m2基準(駐車場2台分)
・作業員日当@20,000円/日(地域によって変動)
・生コン@15,000円/m3(およその全国平均)
・透水性コンクリート@40,000円/m3(高めの見積もり)
・メッシュ配筋@500円/m2
・1施工パーティー4名体制
【土間コン原価】
・人件費 4名×20,000円=80,000円 ※1日かかる(あるいは残業も)
・メッシュ配筋30m2×500円=15,000円
・生コン 30m2×0.1=3m3×15,000円=45,000円(ロスを考慮せず)
合計;140,000円/30m2=
4,667円/m2
【透水性コンクリート原価】
・人件費 4名×20,000円=80,000÷8=10,000円 ※他工事との組み合わせでおよそ30分で終わるため、で計算(要協議)
・メッシュ配筋 0円
・透水性コンクリート 30m2×0.1=3m3×40,000円=120,000円(ロスを考慮せず)
合計;130,000円/30m2=
4,334円/m2
(※排水設備の軽減によるコスト削減は含まず)
注:他工事との調整による施工費用の最適化が鍵となる。
ーーーーーーーーーーーーーー
従来の土間コンクリートと同水準の品質(早い、安い、良い)で市場に届く。
上述の条件はあくまで理想的な環境が整備された場合となる。
今後まだまだ供給工場や施工者への周知活動が必要。
市場そのものを充実させることによってボリュームが期待できれば、材料そのものの価格だってさらに合理化できるはずだ。
現状はまだまだそうはなっていない。
1日に数千件施工されているだろう土間コンのほんの1〜2件程度しか透水性コンクリートは採用されていない。
これが現実だ。
現実を知る。その上で理想と目標を失わない。
理想(透水性コンクリートが土間コンの常識となっている世界)に対して、現実は今どの程度のステージにいるのか。
理想に舞い上がってはならない。
今の現実をしっかりと踏まえて、理想に向けて何が足りないのかを自覚する。
着実にその足りないものを日常業務に置き換える。
粛々と実践する。
ひたすら繰り返す。
今日も激しい雨が日本を襲っている。
冠水や土砂災害が懸念される。
人と自然が調和する世界。
理想と現実の狭間で僕は日々焦っている。
宮本充也