2019/05/24
「生コン屋さんがマヂックコートを売る」ロスジェネの挑戦

透水性コンクリート「ドライテック」の結合材の製造元はなんと老舗壁材メーカーフッコー(https://fukko-japan-online.shop/)。そのお家芸は壁材の代名詞「マヂックコート」でもいよいよ協業が始まる。
https://www.nr-mix.co.jp/new_nama/blog/post_123.html
ドライテックの結合材メーカーはなんとあの「マヂックコート」のフッコー
おなじみ透水性コンクリート「ドライテック」の特殊バインダー(混和材)製造元フッコーはなんとあの「マヂックコート」を擁する老舗壁材メーカー。
今回は山梨県にあるフッコー本社を訪ねた。用向きはマヂックコートの施工研修。
これが、マヂックコート。骨材の混入タイプにより、A、B、C、D材に分かれる(主に、A材とC材)。
DIY動画作成予定。もちろん、本職の左官のようには仕上げられないけど、「自分で塗った」壁には愛着もひとしおであるはず。
フッコー本社の展示スペース。あらゆる壁材が設えられている。
なんで生コン屋さんが塗り壁「マヂックコート」なの?
塗り壁メーカーと生コン工場のコラボは10年以上。
きっかけは透水性コンクリート「ドライテック」。
塗り壁も、生コンも。
いずれも斜陽産業。
杉山副社長も、僕も、ロスジェネ世代。
門前の小僧よろしく互いに物心つく頃には家業に就く覚悟を持っていた。
乗ったのは下りのエスカレーター。
「作れば売れる」
の時代があったことがまるで嘘みたいに需要はやせ衰えていく。
都市を追うごとに需要はしぼんでいく。
危機感。
杉山さんと僕の共通項があるとしたらこの言葉だろう。
そして、ドライテックの協業が始まる。
生コン、塗り壁、チグハグな連携が今新しいステージを迎えようとしている。
しがらみの一切ないハブとしての生コン工場。
今年から本格化している「庭コン」。
https://www.nr-mix.co.jp/niwakon/
地元生コン工場が地元で取引のある信頼できる優良施工店を紹介。
コンセプトは、
地元施主と地元施工店を余計な費用(マージンその他)0でつなげる。
それだけでは単なるマッチングサービス(とはいえマージン0は業界初ではあるけれど)。
もう1つの特徴は、
情報格差を前提とした多段階に及ぶ既存流通構造の破壊。
となる。
今回連携が始まるマヂックコートはそのトライアル第1弾。
施工者に届くまでの流通階層を出来るだけ簡素化する。
地元施工者にすでに口座を開設している生コン工場を活用する。
余計なコストをかけずにマヂックコートを市場と顧客に届ける。
全国に遍在する生コン工場を再定義する。
危機感を共通項にしたロスジェネの挑戦。
先輩世代のつけを回された感半端ないロスジェネ世代。
就職超氷河期。
下りのエスカレーター。
20代は何をしていいかわからずひたすらペコペコ頭を下げるだけの毎日。
現場で右往左往していた。
不条理な扱いを受けたことも1度や2度ではない。
そんな、ロスジェネが今ようやく経済の主役になりつつある。
これまでの常識。
当たり前とされてきたこと。
それに対して常に僕たちは疑問を持っている。
「それ、おかしいでしょ」
そんな思いは形にしてこそなんぼ。
生コン工場がマヂックコートを売る。
一見危うい新規事業のように見えるこの試みにはそんなロスジェネの思いが託されている。
生コンでいいこと。
宮本充也