2019/07/14
「雨の日に僕は怒っています」街角の地面に真剣に怒る(前編)

とある街角。ひとりの男が真剣に怒っていた。日本の地面に課題意識を燃やすひとりの男の物語(前編)。
雨の日に僕は怒っています(前編)
朝4時前に目を覚まし6時から毎年恒例となっている小布施ミニマラソンに参加。清々しい朝、その事件は起きた。
ホテルに戻りシャワーを浴びて帰途につく。
駅へ続く道。
スマホで電車の時刻を確認しながら急ぎ足であるく。
ふと、つま先に違和感を感じ、呻いた。
よろけ、見知らぬ通行人にぶつかる。
一瞬何が起きたのかわからなかった。
足が取られた。
マラソンの疲れだろうか。
通行人に詫びをしてから振り返る地面。
歩いていた地面。日本中こんな光景はどこでも見かけることができるだろう。
そこにはほんの1cmにも満たない段差があった。僕がつま先をひっかけたのはこのわずかな段差だったのだ。
20km快走した後だったから足が上がっていなかった。
普通ならこんなわずかな段差などものともしないはずだ。
たまたま運が悪かった。
そうだろうか?
もし、ここを歩いていた人がお年寄りのように足がそんなに上がらない方だったら。
目の不自由な方だったら。
車椅子で移動する人なら。
いろんな、ifを考えざるを得ない。
20kmを気持ちよく走った後の健康な僕でさえ足をひっかけたのだ。
きっと段差につま先をひっかけて転倒した人は一人や二人じゃないはず。
憤りと焦りを感じながら。
僕は駅への道を急ぐ。
そして、そこに現れたのは・・・。
(後編につづく)
宮本充也