2019/07/17
【神奈川】「これで家に水流れてこないの?」「透水するから大丈夫ですよ」隣地とのトラブル解消

側溝を作ってもこれだけの面積の水だと下流の側溝であふれてしまう可能性があるため、透水性にしなおかつ平らでお子様がバスケットの練習ができるよう施工された。作業中にもお隣りさんから「これで家に水流れてこないの?」と何回も言われ「透水するから大丈夫ですよ」と受け答え。
製造:小田原生コン、施工:生コンポータル(102m2、厚さ100mm、6人、5時間)
隣地とのトラブルも解消できる透水性コンクリート
水だ。
雨水といえども、水。
何も、汚染されたものではない。
ただ、人によって水に対しての反応は異なる。
文化によっても異なるかもしれない。
スプラッシュマウンテンでびしょ濡れになることを、
・喜ぶアメリカ人
・嫌がる日本人
時と場合にもよるかもしれないけれど、同じ水に対しての反応はそれぞれに異なる。
今回はそんな「水」に起因するトラブルを解消するために透水性コンクリートが採用された。
隣地からの雨水流出対策。
Before 路盤の状態。想定される雨水や地盤の透水性により、排水(暗渠など)を追加する場合もある。
雨が予想されたため、ブルーシート(雨対策)をしながら透水性コンクリート施工。敷設を追いかけるように、端部の転圧。それ以外はプレートで転圧仕上げ。製造協力は小田原生コン。
After 細かなところをタッチアップ(骨材の密度ばらつき対策)して完成。
どのくらい貯水するの?
排水対策がなければ降った雨はそのまま隣地に流れ出すだろう。
では、透水性コンクリート(暗渠など追加排水除く)単体でどのくらい排水(貯水)効果、つまり隣地への雨水流出を防ぐ効果があるだろう。
以下に100m2基準で計算する。
・100m2はおよそ12.5m3程度の透水性コンクリートを利用する。
・12.5m3の内の20%が空隙であるため、12.5 × 0.2 = 2.5m3が空隙。
・路盤もおよそ同様の空隙を有する、2.5m3が空隙。
・透水性コンクリート、路盤、合算でおよそ5m3の空隙。
その空隙は水が貯水されるためのスペースになる。
5m3 = 5,000ℓの水がその敷地で貯水可能。
500mlのペットボトル50,000本。
5万本だ。
あなたは、5万本のペットボトルを飲めるだろうか?いや、飲めない。
ということになる。
後は、排水設備の排水能力と、地盤の透水係数で計算ができる。
行政の設置している排水設備の能力を超えた雨が降るようになれば、当該敷地も含めた周囲全体が冠水することになるだろう。
お隣さんとのトラブルどころの騒ぎじゃない。
ただし、お隣さんも、周囲の街並み全てが透水性コンクリートになったらどうだろう?
100m2あたり、ペットボトル5万本。
それが、周囲全体の貯水能力になったら?
おそらく、排水設備の負担は相当量減じられ、冠水することはおよそなくなるはずだ。
僕たちは目指している。
日本中の地面が透水性コンクリートで当たり前のように舗装される未来を。
そのことで、雨水は地下水系に還元される。
湧水は再生する。
ヒートアイランド現象は抑制される。
ゲリラ豪雨は減る。
そして、冠水被害も減る。
自然と人とが調和する未来を。
僕たちは目指している。
宮本充也