2019/07/20
【バリアフリー】人と自然が調和する舗装ならブロックだけじゃない!

一造会(1級造園施工管理技士全国会)で街路樹についての講演を聞く機会を得た。そして、不思議に思う。街中の歩道の大半はブロックで舗装されている。たしかに、遮熱・保水などブロックの環境への貢献は大きいけれど、バリアフリー的にはどうなの?
インターロッキングブロックは人と自然が調和する環境に貢献する?
ハナミズキ、イチョウ、サクラ、スズカケノキ、トウカエデ、ケヤキ、クスノキ、マテバシイ、エンジュ、ヤナギ。
(都内街路樹のトップ10)
東京都街路の舗装の歴史
もともと、平板のような大きめな舗材が用いられていたそうだ。
ただ、学生運動などでそうした舗材は投石に用いられるなど危険性が指摘されていた。
都内でインターロッキングブロックなどのプレキャストコンクリートが街路舗装に採用されたのは1982年のこと。
爾来、街路舗装といえば、ブロックが定番となっている。
見た目のおしゃれさ(意匠性)はもちろん、
・保水性
・遮熱
など各種機能を備えたブロック舗装は公共工事における舗装の花形。
アスファルト、コンクリートはあまりにも汎用的すぎて街路をがざるにはちょっと物足りない。
そんな心理が働いているのかもしれない。
ブロック舗装。
高齢化社会においてマイナス面も指摘されることもある。
それが、これ。
根上がりにより段差ができてしまった舗装。
よく、こうした景色は見かけることができる。
歩行に問題があることは言うまでもない。
樹木を優先し人にしわ寄せが寄せられてしまっている。
こちらも雨の時期よく見かける光景。
せっかく目の不自由な方のための点字ブロックを配置してもこれでは足がずぶ濡れだ。
これでは、人にも自然(樹木)にもいいことではない。
自然 or 人 から、自然 and 人へ。
極論、自然にとってもっとも有害な存在は人類だから滅亡しましょう。
そんな人もいるくらいだ。
または、
縄文人の暮らしが最も自然にとって適しているから縄文人の暮らしに戻りましょう。
的な。
行きすぎた自然保護は現実的ではない。
今からユニクロやセブンを利用しないなんて考えられない。
舗装のない暮らしなんて有り得ない。
出勤のたびにぬかるみに足を取られる生活。
どんなに自然にいいからといってみんな嫌だよね?
カラーリングも自在の透水性コンクリートはブロックではないため根上りで段差になる懸念は少ない。
ブロックだけじゃない、アスファルト、コンクリート、もっともっと。
当サイトの立場は生コン。
もちろん、生コンの良さ(そして時には悪いところ)を主張する。
けれど、生コンだけになってほしいとは思っていない。
これからもまだ生まれるだろう多くの技術が適正に市場で評価されることが大切。
知られていないのが問題。
アスファルトやコンクリート、そして透水性コンクリート。
それぞれが、それぞれに、適材適所がある。
それを近視眼的に、我田引水で「どれが1番」とゴリ押しするのはよくない。
もっと、それぞれの舗装の特徴を知ってもらいたい。
市場の流動性を高くしたい。
それが、結果的に「自然と人が調和する」という文脈に寄せていく。
知られていないことは存在していないのと同じこと。
特に建設産業。
情報の流動性が極めて低い。
閉鎖的。
そこに課題意識を持っている。
宮本充也