2019/09/12
「土間コンクリートの駐車場を施行してもらいました。」

Yahoo!知恵袋に直接書き込まず裏で勝手に答える人気コーナー。今回の相談は土間コンクリートのジャンカについて。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q11201245031
土間コンクリートの駐車場に求められる機能
まず正しくは、「施行」ではなくて「施工」。型枠を外したのが翌日でも1週間後でも1ヶ月経っててもこうした粗の部分は避けられない。
締め固め(バイブレーター)が不十分だったために起きる現象。
生コン打設不良の代表例がジャンカ。
流動体生コンが型枠の中にきちんと充填されなかった場合写真のように密実ではない箇所が発生する。
これを、ジャンカという。
もちろん、一生に一度の買物だから完璧を求めたい心理はわからないでもない。
ただ、品質とは「要求される性能に対しての度合い」で示されるもの。
土間コンクリートに長年携わっていて感じるのが、
土間コンクリートに何を求めてるんですか?
てこと。
一般の方はコンクリートと聞けば反射的に「強度」「強度」と不安がるのだが、全てのコンクリートにとって強度が大切ってことはない。
もちろん、橋やビルのような構造物においてのコンクリート強度はとても大切。
荷重がかかったり、地震のような応力がかかった際に所定の(期待された)強度が確保されなければ即人命に関わることになる。
このイメージが強すぎるため、コンクリートは全てにおいて強度が大切みたいな思い込みがある。
土間コンクリート(駐車場)は梁や柱や意匠ではない。
業界をあげて毅然と対応すべきだと思うのが、
「駐車場の土間コンクリートに求められる性能は、見た目とか強度とかではない」
という当たり前のこと。
家を買った一般の方が、
・土間コンにひび割れが出た。取り壊してちょうだい
とか、
・色むらがうちの土間コンだけに発生しているので取り壊してちょうだい
みたいなクレーム。
技術に明るくない素人販売員がなんでもかんでもお施主さんの言いなりになってそのクレームを受け入れてしまうからいつのまにか土間コンは色むらやひび割れがないのが当たり前みたいな雰囲気になってしまった。
そもそもが天然素材を用いているのだ。
そして、ひび割れは絶対に発生する。
その前提を曲げてしまったがために、土間コンクリートは、「10件に1件が炎上」みたいなエクステリア関係者にとってはタブーチックな製品となってしまった。
だから、0円対応ではなくてきちんと価格をつけよう。
ひび割れや色むらは不可避だが特殊工法(打ち放しペイント)で消すことは可能。
プロなら毅然とした態度で顧客に接しよう。
出るものは出る。
おっかなびっくりでなきゃいいなチックに事前の説明もなく顧客と接する方が不誠実な態度だ。
なぜなら、最先端の技術をもってしてもひび割れや色むらは解決できていないのが現実。
その前提を踏まえて、「出るものは出る」けれど、「それを消すことはできる」ということを説明し、価格をきちんとつけて提供すべき。
土間コンに関して、僕たちのお客さん(施工者)が施主さんに言い寄られて苦しんでいる現場に立ち会うほどにそう感じる。
生コンクリート。
そして、土間コンに関する適切な知識をきちんと持つ。
それをきちんと発信していく。
土間コンに何が求められているか。
前提をきちんと固めた上で生コンを取り扱うべきだと思う。
安心してほしい。
土間コン駐車場のジャンカなんか全く問題ない。
宮本充也