2019/10/01
「どうして色むら・ひび割れが問題にならないの?」

土間コンクリート普遍の悩みと考えられている「色むら」「ひび割れ」は透水性コンクリートにおいてはそうなっていない。なんども主張するこの側面について改めて説明する。
透水性コンクリートでは「色むら」も「ひび割れ」も起きない理由
偶発的に、その理由は特定されず、発生する土間コンの色むらは、「一生に一度の買い物」というテンションをあざ笑うかのようだ。
「でずみ」や「やくものまわり」からビシッと入るひび割れも不可避な土間コンの現象の1つ。
ペーストが粗骨材と粗骨材の間(空間)を満たしている土間コン。
色むらもひび割れもペースト上に現れる現象。
ペーストとは、
・セメント
・水
・粗骨材
・砂
・微粒分(シルト)
という生コンクリートの構成成分の、
・セメント
・水
・砂
・微粒分
がさながらペースト状となって粗骨材と粗骨材の間を埋めている。
そこの部分の水分の蒸発散むらがすなわち色むらの発生原因。
それは、養生が原因だったり金鏝のコテむらだったり路盤の水分が影響したり特定は難しい。
ひび割れも同様。
ひび割れってのは弱いところにビシッと入る。
粗骨材よりもペーストの方が弱い。
満遍なく隙間を埋められたペーストの上にびしっと入るからそれは目に見えるし問題となる。
つまり、
土間コンクリートのあらゆる問題はペーストに原因がある
といっても過言ではない。
土間コンに使われる生コンと透水性コンクリートの配合どうちがう?
「透水性コンクリートではひび割れも色むらも問題とならない」
透水性コンクリート。
その配合はざっくり以下の通り。
(1m3あたり)
・粗骨材1560kg
・細骨材0kg
・セメント220kg
・バインダー10kg
・水65kg
このうち、ペーストを構成するのが、細骨材、セメント、バインダー、水となるが、その合計質量は295kg。
生コンの通常配合に比べて極端にペーストが少ないことがわかる。
(※配合例:https://realestate.yahoo.co.jp/knowledge/chiebukuro/detail/10101053865/)
つまり、透水性コンクリートの場合、通常の生コンと異なり、粗骨材と粗骨材の間の隙間をペーストが埋めることができない。
(つまり、その空いた空間が水を通すのだけれど)
・色むら
・ひび割れ
いずれも、ペースト上に発生する現象と書いたが、透水性コンクリートの場合発生するための場所がない、ということができる。
通常発生しやすいと考えられている「でずみ」部分にもひび割れは見られない。
(実際は粗骨材に付着する少量のペースト、つまりは骨材と骨材の輪郭に沿って、ひび割れ、ヘアークラックは発生しているのだけれど、「みえない」)
「どうして色むら・ひび割れが問題にならないの?」
よくある質問に対しての答えはつまり、「ペーストが極端に少ないから」ということができる。
そもそも、ヘアークラックは問題視されない。
鉄筋コンクリート(主要構造部)でもない。
きちんと車や人の往来を支える強度と耐久性を有していればそれでことは足りているのだ。
これはもちろん、施主にとってもメリットなんだけど、実は施工者に一番届けたい価値。
いつもお施主さんとの間で苦しんでるでしょ?
・ひび割れ
・色むら
から解放されたければ。
食わず嫌いはやめようよ。
時代は透水性コンクリートに傾いている。
宮本充也