2019/11/15
「あれ? 透水性コンクリート??」コンクリート洗い出し

目の肥えた玄人や専門家でも一瞬「あれ?透水性コンクリート??」と目を疑ってしまうその土間コンはコンクリート洗い出し。よく見ると、確かに不要な水勾配がついている。近くで仔細に眺めても、同じようなテクスチャだ。
「あれ?透水性コンクリート??」
それは街角で何気なく気づいた住宅エクステリアの舗装。
「あれ?こんなところにドライテックなんて施工したっけ?」
近くに寄ってみる。
写真を見る限り透水性コンクリートの表面と区別がつくだろうか。
実際にはこの時点で、
「あ、目の錯覚か。透水性コンクリートではなかった」
となっていた。
写真だとこれだけ近づいてもわからないかもしれない。
透水性コンクリートに見えるこれ。
実は「コンクリート洗い出し」という技法が施されている土間コンクリート。
土間コンクリートを施工した後表面のセメントペーストを硬化前に洗ってしまう。
洗い出してしまう。
そのことで表面の骨材(砂利や砕石)の素地がそのまま見えるようにした意匠上の工夫。
骨材の素地がそのまま見える。
一方透水性コンクリートは粗骨材の輪郭がそのまま見える。
これは、ペーストがないからとなるのだが、両者ともに「骨材が浮き出ている」。
ぱっと見両者の区別がつかないことには故あるのだ。
どうせ、おんなじ見た目。水勾配があるのとまっ平なのどっちがいい?
専門家の目すら欺く。
洗い出しコンクリートと透水性コンクリート。
手間がかかる分、費用もおよそ同じか洗い出しの方が高いくらいかもしれない。
洗い出して粗骨材が浮き彫りになっているとはいえ水は吸い込まない。
普通の土間コン。
一方、見た目は洗い出しとほぼ一緒だが水を通すために排水設備や水勾配が入らない真っ平らな舗装。
あなたならどっちを選ぶ?
朝、偶然見つけたその舗装を見ていて、どうして洗い出しコンクリートが売れてるのに透水性コンクリートはそれほど売れていないのか。
一旦できてしまった常識というものはなかなかにして変えづらいということへの驚き。
そして、一旦透水性コンクリートが常識となってしまえば、なかなかこれも変えられないことを意味する。
朝からそんな悲喜交交の感情を抱いていた。
宮本充也