2019/12/28
「土間コンも透水性コンクリートもいずれも一生もの」耐久性・ノーメンテ

よくある質問「土間コンと違って透水性コンクリートだと数年でダメになっちゃうの?」。このイメージはきっとアスファルトが年度末になるとあちこちでメンテナンスされているところから来ているだろう。大丈夫。「土間コンも透水性コンクリートもいずれも一生もの」。
「土間コンと違って透水性コンクリートだと数年でダメになっちゃうの?」
エクステリア舗装の定番土間コンクリート。
きっと庭づくりのプロは施主に「土間コンクリートは一生ものです」なんつって説明していることだろう。
それは事実だ。
一旦施工された土間コンクリートはノーメンテ。
数年経つと表面が取れてきてまた張り替えしなけりゃなりませんてことにはならない。
「じゃあ、透水性コンクリートはどうなの?」
やっぱ、バインダ(結合材)がゆるんだり劣化したりすることで10年もすれば表面ぼろぼろになったりするんでしょ?
数多く寄せられる質問の中でもこの手の疑問は特に多い。
結論から言おう。
「土間コンと全く一緒で一生ものです」
何故か?
それは、原材料で説明することができる。
土間コン透水性コンクリートいずれも完全無機材。
原材料の説明をしよう。
土間コンに用いられる通常の生コンは、
⚫︎砂利・砕石(粗骨材)
⚫︎砂(細骨材)
⚫︎セメント(並びに混和材)
⚫︎化学混和剤(AE減水剤など)
⚫︎水
で作られている。
いずれの原材料も無機質。
一方の透水性コンクリート(ドライテック)の原材料は以下の通り。
⚫︎砂利・砕石(粗骨材)
⚫︎セメント
⚫︎特殊結合材(主成分シリカヒューム)
⚫︎化学混和剤(超遅延剤)
⚫︎水
通常の生コンに比べ、砂がなくその代わりに特殊結合材が配合されているだけ。
こちらもいずれの原材料も無機質。
つまり、生コンも透水性コンクリートも基本物性はまったく一緒ということになる。
完全無機ということはガラスや石の仲間ってこと。
アスファルトの効果の根拠とする石油製品の仲間には、
⚫︎ポリバケツ
⚫︎輪ゴム
といったものがある。
よく僕はこうした質問を投げかける。
「輪ゴムやポリバケツを30年外に置いておいたらどうなる?」
聞かれた人たちは大抵、
「ぼろぼろ、パリパリになります」
とこう答える。
なるほど、これがアスファルトがすぐにダメになって年度末あちこちメンテされて渋滞を引き起こす理由なのか。
一方、こうも投げかける。
「30年西日に当たって溶けちゃったガラスって聞いたことある?」
誰しもが首を横に振る。
土間コンも透水性コンクリートもガラスや石の仲間。
だから、30年経っても50年経っても、溶けない分解しない。
それは完全無機材だからということが答えになる。
駐車場などに用いられる土間コンや透水性コンクリートごときにいろいろ悩みたくないよね。
10年経てばいっせいに更新時期を迎える家電製品とは違います。
一生何も申さずにひたすら足元を支えます。
透水性コンクリート。
それは一旦施工して仕舞えば永久にノーメンテ。
「土間コンも透水性コンクリートもいずれも一生もの」
宮本充也