2017/06/23
「夕方から打てる土間コン?」 ブリーディング・仕上げ・土間コン・透水

「ブリーディングないのですぐおわりますよ」「夕方から打設できるので注文入りやすいです」「ひび割れ見えづらいのでクレームになりづらいですよ」
僕は大学を卒業するまで普通に生きてきた。
大学を卒業してからは普通に生コン17年目となっている。
当たり前のことだけどそのほかの人生を知らない。
だから、そのほかの人生を知ったような顔をするのは、
そのほかの人生を生きている人にとっての冒涜でしかない。
だからわかったような顔をして偉そうにするようなことのないよう、
日頃から気を付けているつもりだ。
生コンブログの始まりである。
そうはいっても、営業をしている以上、
他人の人生、他人の立場、
というものをある程度理解しようとする必要がある。
みんな自分と同じ
くらいに思っていたら共感や理解は得られないので、
そうなるとなかなか商品や技術の提案はできづらい。
当社長岡生コンクリートの大切なお客様は、
どちらかというと小規模事業者でありご利用いただく生コンも小ロット。
中でもエクステリア・外構を専門分野とされている需要家が多い。
今は建築施工管理技士の資格試験に挑戦しているが、
次は造園施工管理技士またはエクステリアプランナーを挑戦しようかと思っている。
できるだけお客様が使う言葉を理解することで、
できるだけお客様の心理に沿える提案ができるようになることが目的だ。
さて、そんなエクステリアにおける生コンにおいてよく耳にする言葉。
「駐車場の土間コンは1日仕事」
建築でも土木でも同様だが、
生コンクリートって結構特別扱いしてもらっている感じがある。
大規模建築だと生コン打設の日はなんかお祭りっぽいし、
何日も前からその日に向けて協議を重ねたりしている。
節目みたいなもんかもしれない。
土木も、そしてエクステリア・外構・造園の分野でも、
生コンクリートはなんだか特別扱いでシンデレラみたいな感じで。
偉そうにしているような気がしてならない。
なぜか?
それは生コンクリートの硬化のメカニズムと深い関係がある。
コンクリートが固くなる理屈は、
水和反応
といって、コンクリート中のセメントと水が化学反応を起こすことが原因。
凝結、硬化といって、
このプロセスにはどうしても時間がかかる。
だから、建築・土木・エクステリアの工程の中に、
「生コンさんが固まるまで待つ」
という手待ちが発生することが知られている。
これは、生コンが特別扱いされる最たる理由だと思う。
エクステリア・外構の場合特に、
「土間コン(駐車場、カーポート)」
がその代表例として知られている。
「駐車場の土間コンは1日仕事」
これは、生コン工場に朝一の注文が殺到するゆえんとなっている。
もっと詳しく書くと、
生コンを注文して生コンが届く。
午前中または昼すぎに打設(敷設)そのものは終わるとする。
ただ、そのあとに仕上げ工程というものが発生する。
この「仕上げ」が土間コン打設を長引かせる要因となる。
この仕上げ。
「ブリーディングが引いてからでないとできない」
という風に言われている。
ブリーディングってなにかというと、
生コンの中に含まれている余剰水(水和→硬化に必要な水以外)が、
生コンの上端に浮いて出てくることを指す。
※ググったらブリーディングの画像が見つかった
そして、このブリーディングが収まるのに時間がかかる。
だから、生コン打設は1日仕事になる、というのがゆえんである。
※間違ってたらごめんなさい。教えてくださいm(..)m
この、「ブリーディングがない生コン」がある。
僕たちが展開しているGNNブランドの「ドライテック」
前面に打ち出している価値は、
「水を通します!だから水たまりができません!歩行に安全です!夏涼しいです!!」
でもこれって実は施工者に求められている価値ではなかったりする。
施工者が求める価値はたいてい上記のようなものではなくて、
「クレームにならなきゃいい」「普通に終わればそれでいい」「面倒くさいことしたくない」
だったりする。
だから、施工者に一所懸命、
「水を通します!だから水たまりができません!歩行に安全です!夏涼しいです!!」
と怒鳴ったところでその声は心に届かない。
エクステリア会社の心理を理解していないということだ。
だから、以下のような言葉の方が心に届いたりする。
「ブリーディングないのですぐおわりますよ」「夕方から打設できるので注文入りやすいです」「ひび割れ見えづらいのでクレームになりづらいですよ」
みたいな。
彼らはもちろん市民として、
「水たまりのない駐車場が普及することによってヒートアイランド抑制など地球環境の保全が進むことを望んでいる」
けれども、施工者として採用するかしないかは別問題となる。
だから、優先すべき価値は、
「水たまりのできない透水性コンクリート!」
ではなく、
「夕方から打てる土間コン?!」
となる。
今後もエクステリアプランナーや造園施工管理技士などの学習を通して、
できる限り僕たち生コンクリートの需要家の心理に添えるような普及活動。
そんなことを考えている。