2017/02/07
「おいしくなけりゃ誰も来ない」 技術・開発・透水・原価・強度

僕は経営や組織を板前に例えることがある。
商売(ビジネス)には基本、
・作って売る
・仕入れて売る
のどちらかしかない。
ここで、二つの機能がある。
・作る(仕入れる)
という機能と
・売る→販売にかかわること
という2つ。
板前で例えると、
・板前が寿司を握る→作る(または仕入れ)
・板前がお愛想を言いながら提供する→売る
という2つ。
ただ、これだけじゃ終わらない。
・どれだけ売れたか管理する
ことをしなければ翌日の仕入れなどどうしたらいいか把握ができない。
だから、寿司を提供しながらもメモに書いたり、
店の営業が終わった後集計をしたり、管理する機能が必要。
さらに、
・腕を磨く→技術
という機能も必要だ。
いくら、作って売って管理しても、まずけりゃ誰も来ない。
だから、腕を磨く→技術という機能も必要となる。
組織でいうと、
・店舗(売る)
・工場(作る)
・事務所(管理)
・技術(QCや開発)
というように役割を分担して機能別に組織図を作っているケースが多いだろう。
4つの機能、もちろんどれもとても重要。
けれど、企業の発展段階によって優先順位が変化することもあると思う。
ある程度経営基盤ができてがむしゃらに営業とかしなくとも来客数が読め、
管理体制が整い工場も軌道に乗ってきた段階になると重要になるのは、
・技術
顧客が買う理由
板前の例で例えると、「おいしくなけりゃ客は来ない」という部分。
ここが重要になってくると思う。
当社長岡生コンでは技術を柳川さんが担当している。
所有資格としてはコンクリート主任技士とコンクリート診断士。
40年及ぶ生コンにかかわる実務経験は顧客の信頼も厚い。
「顧客が長岡生コンの生コンを買う理由」
を作り出しているのが柳川さん。
今回の技術開発のテーマは海を越えた韓国から寄せられた。
概要は下記のとおり、
日本のGNNが標準仕様としている透水性コンクリートドライテックは驚異の透水性能と曲げ強度を併せ持っているが、韓国市場における優先順位は「価格」となっている。透水性能は日本で求められるほどのものは必要なく、機能が仮に8分の1になったとしても韓国の基準を満たしているため、結合材(フッコー製F材)の量を半分にすることで原価を低減したい。ただ、曲げ強度はこれまでのとおりとしたい
ビジネスパートナー、EDC Life趙さんからの要請。
これを満足させれば、
「お客さんがおいしいといってまた来てくれる」
こうした技術開発は韓国市場のためだけじゃなくて、
多様なニーズに対応するためにも日頃から研鑽が大切だと思う。
技術者は特に生コンの場合だけど、
技術に近視眼的になる場合がある。
専門家が素人を馬鹿にする感じ。
自分が作っているものが正しいという独善的な態度。
だけど、透水性コンクリートのように、
まだ規格もきちんと整備されていない、
つまりは純粋な顧客のニーズしかないような場合には、
専門家の独りよがりは通用しない。
「おいしいものを作る」
当たり前の姿勢が求められることになる。
先ほどの写真のように日頃から僕たちは顧客ニーズに対応して、
TB(Test Batching)試験練り
を行っています。
新しい事務所では試験練りのスペース(試験室)を、
エントランスにしている。
「会社の顔は技術」
という意味を込めています。
顧客に僕たちが選ばれる理由を作る機能。
技術
ひとえに長岡生コン単独ではなく、
全国に広がるGNNの仲間たちとも情報を共有しながら、
日々よりよい製品づくりに邁進しています。